前回は営業現場のブラックボックスの問題やその問題を解消するために「ワークログ」をどのように活用していくのかについて解説してきた。第5回となる本稿では、「ワークログ」を活用した営業データ可視化の事例を紹介する。コロナ禍のいまあるべき営業マネジメントについて考えてながらぜひ読んでいただきたい。
ワークログ取得のポイントにも 商談時に必須な「話し方」
商談シーンでしばしば、課題になるのがコミュニケーション力だ。できる営業担当とそうでない営業担当では、相手から課題感やニーズを引き出すことができる確率に大きな差が出ることもある。「顧客との信頼関係が構築できていないからだ!」と多くのマネジャーは一喝するかもしれないが、飲み会の回数を増やせば、信頼関係が構築できる時代でもなくなってきた。
顧客との信頼関係を構築するためのテクニックとして「ラポール」を教わった営業担当者も多いだろう。ラポールとは、フランス語で「橋をかける」という意味だが、転じて「信頼関係を構築する」という意味で使われる。
ラポールは主に「ミラーリング」「ペーシング」「バックトラッキング」「キャリブレーション」の4つに分類して説明されることが多い。それぞれの説明は専門の書籍やサイトに譲るとして、本稿では、主に「ペーシング」と「ワークログ」の関係性について詳述する。
ペーシングとは、文字どおり相手との会話を伴走し、会話のペースを合わせていくことを意味する。ペーシングで重要なのは、話をするスピードや声の大きさ、間のとり方、感情、といった「話し方」である。
一般的には1分間で300~350文字程度を発するスピード感が通常の会話に適したスピードだと言われるが、これも相手によっては早いと感じられたり、逆に遅いと感じられたりすることがある。また、相手の話すスピードは脳で情報を処理する速度と比例していると言われることがある。つまり、相手が早口で話す場合はそれに合わせてしゃべらないと、相手をイラつかせたり、会話に興味を失わせたりしてしまうため、信頼関係を構築することは難しい。一方で重要な説明や相手に意思決定を迫るときには、あえてゆっくりと低い声で話すと効果的であると言われることもある。
このように話し方はそのシチュエーションによって最適な状態が変化するが、ペーシング(発言時間の構成、回数、テンポ、心理状態)を可視化することで、コミュニケーションの分析ができ、適切なフィードバックを行うことが可能となる。
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EY ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 ディレクター 千葉友範(チバトモノリ)
大学院在学中より産学官連携によるソフトウェアベンチャー立ち上げに参画後、会計系コンサルティングファーム、IoTベンチャー企業の役員のほか、AIやブロックチェーンベンチャー企業の顧問などを務め、2019年3月より現職。20年近いコンサルティング経験を通じて、エマージングテクノロジー(先進技術)の活用、UXやUIデザイ...
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