オンライン商談の機会が増加したことにより、「アジェンダを事前にお知らせいただけますでしょうか」という言葉を耳にする機会が増えました。これは、要件があいまいなアポイントが取りづらくなった半面、明確な理由があれば商談の機会を掴みやすい時代になったとも捉えられます。本連載では、こうした「会うべき理由」を求められる非対面での営業活動で大きな力を発揮する「コンテンツセールス」を行うべき理由とその有用性を解説してまいります。
動画コンテンツで受注を生み出すには
営業活動のデジタル化推進にともないSales Tech・SaaSが広く普及した昨今、動画化された営業資料を目にする機会が増えました。対面営業と比較して動画コンテンツは提供できる情報量が多いため、より良い営業活動の実現に寄与します。
私が在籍するギグセールスは、創業以来BtoB企業に特化した営業支援を行っています。2020年にビジネス系動画制作の企業をM&Aしたこともあり、営業活動・採用活動の両側面で動画を積極的に活用しています。その甲斐あってか、2年連続200%以上の事業成長を達成することができました。
対面営業が主流であった時代、BtoB動画の制作コストは1本あたり数十万円が相場でした。しかし、ここ数年では1本あたり数万円とリーズナブルに作成することができるようになりました。YouTubeやTikTokの普及はもちろん、個人事業主や副業としての動画制作クリエイターの母数が増えたことなども影響していると思われます。

とはいえ、動画の活用が以前ほど珍しくなくなったことで、単に動画を用意するだけでなく、動画コンテンツを通じて「いかに成果を生み出すか」がいっそう求められる時代になりました。実際に、「とりあえずつくってみたけど、思うように成果が出ない」というお悩みは頻繁に耳にします。
動画コンテンツにおける企画がいかに大きな役割を果たすかはご存知の方も多いかと思いますが、具体的にどのような点に留意すれば良いのか? BtoB営業でしっかりと成果につながる動画コンテンツを企画するための6つのポイントのうち、まずは3つをご紹介します(残りの3つのポイントは、次回更新時にご紹介します)。
1. 目的を絞る
BtoBのビジネスシーンでは、どんなに再生回数やフォロワー数が多くても、その先の受注につながらなければ意味はありません。また、再生回数の底上げを試みるのであれば「エッジを効かせる」ことが求められるため、その内容によっては既存のクライアントの信頼も揺らぎかねません。ゆえに、BtoB営業がコンテンツを作成するうえでは、大衆向けではなく、限りなくパーソナライズの方向に舵を切ることが求められます。
私はよく、BtoBの営業活動を「伝言ゲーム」に例えます。会社の製品、およびそれらの強みを営業パーソンが担当者に申し伝え、それを聞いた担当者が自身の上長に伝える、というのが一般的な流れではないかと思います。しかし、関係者が増えれば増えるほど、伝言の難易度は上がってしまいます。
一例ですが、関係者の数が増えるほど、上長に伝えるべき「懸念されるリスク」などの情報が伝わらないまま忘れ去られてしまうリスクが高まるでしょう。伝達ミスだけでなく、記憶違いによるトラブルも珍しくありません。その点で、製品の情報が語られた動画のURLを送付すれば、皆が同じコンテンツを確認することで、同じ情報を得ることができるため、伝達ミスなどのトラブルを未然に防ぐことができます。
とはいえ、動画ひとつで意思決定を促すことは、そうかんたんではありません。すべてを動画内で完結させることを目指すのではなく、まずは自社のセールスフローを可視化したうえで、どのフェーズを動画活用で補完するべきかを検討すると良いでしょう。
また、自分たちの都合で動画コンテンツをつくるのではなく、「自分の代わりに、動画に営業をしてもらうこと」を想定したうえで「いつ、どこで、どんな状態で、その情報を伝えるのが最善か」を逆算し、企画に反映させることが重要です。
メールマガジンに登録無料すると、続きをお読みいただけます
この記事は参考になりましたか?
- 会えない営業を救うコンテンツセールス連載記事一覧
-
- リベンジ商談のチャンスはコンテンツで掴め! ビジネスパーソンのための「売れる」動画制作Ti...
- コンテンツセールスは接近戦! 営業成果につながる動画コンテンツの企画づくりを学ぶ
- ニューノーマル時代の身だしなみ BtoB営業パーソンが「自己紹介URL」に300万円投資す...
- この記事の著者
-
福山敦士(フクヤマアツシ)
新卒でサイバーエージェントに入社し、グループ会社CA Beatの立ち上げ、シロクの取締役営業本部長に就任。27歳で独立起業後、事業など立ち上げ3度のM&Aを実行。ショーケースへのM&A時、同社取締役人事本部長に就任しPMI、組織改革、採用育成、人事制度再設計、企業買収、新規事業開発などに従事。20...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
