業種は違っても、共通する「ECの本質」は必ずある! そして、「実店舗ありきのEC」の事例やノウハウは意外と少ない。メガネスーパー、クレッジ(現オルケス)の実店舗が主軸にある2社にわたり、短期間でEC事業を売上2倍にしてきたノウハウを公開します。思ったほどECが伸びていない、なかなか社内を巻き込めない企業のEC担当者は必見!
ユーザー目線で「販売方法」をより深く考え、実行しよう
前々回の記事では、『EC売上アップのための方程式「3つの要素の掛け算」』を紹介しました。「3つの要素」のうち、1つめは「販売方法」でしたが、ECの販売方法と聞いて、何を思い浮かべますか? セット販売、割引セール、会員限定のインセンティブ、クーポンなどでしょうか。
もちろんそれらは含まれますが、私が定義する販売方法とは、「販売に関わるすべてのアクション」です。施策やタイミング調整、バナー、ページのクリエイティブや商品画像、またそれを実現するためのシステムまで含みます。
こうした販売方法の工夫は、「人」ができることであり、競合他社との差別化に直結する部分です。今回は、実際にメガネスーパーで実施している一部の事例を交えながら、「販売方法」について、より深く述べていきます。
より深い販売方法1:ユーザー目線で「伝えたいこと」を伝える
前提として、「実店舗に比べてECは情報が伝わりづらい」と考えています。店舗は接客を通じて情報を伝えることができますが、ECでは限られたデバイスサイズの範囲内で、情報を伝えなければならなかいからです。
しかも、その情報を取捨選択する作業は、すべてユーザーに委ねられます。そのため、ECのクリエイティブにはユーザー目線での「わかりやすさ」が重要です。メガネスーパーのサイト上では、ユーザーに有益な情報を徹底して伝えるようにしています。
改善1:グローバルナビ下にメニューバー追加で、前月比133%に
例えば、私が入社した2013年7月後半にまず着手したことは、サイトの表現でした。
上の画像を比較すると、2013年7月のほうは、グローバルナビ部分に青地のメニューが追加され、メインバナーの割引表示が大きくなっていることがおわかりかと思います。すでに実施している、ユーザーにとって有益なサービスであるにもかかわらず、訴求されていないかったので追加しました。
セール内容を見直したことも影響しているかと思いますが、改善後1ヵ月の売上は、実施前の133%になり、すぐに結果が出ました。
改善2:パッケージにリプレース バナー最大36個で過去最高の売上に
次の大きなタイミングは、2013年12月のECシステムリプレイスの時でした。ASPで修正できる範囲や、スマートフォンの対応、分析に限界が来ていたので、パッケージシステム「ecbeing」に切り替えました。
その際、要件定義の段階から、バナーを出せるエリアの確保とレイアウトにはこだわりました。
上の画像を比較すると、2015年4月現在のほうは、左カラムとグローバルナビにバナーが追加され、メインバナーは分割されカテゴリによって切り替えができるようになっています。これにより、メインバナーだけでも、最大36個のバナーを掲載できるようになりました。
完全なスマホ対応などもありましたが、リプレイスした12月は当時の過去最高の売上、前月比131%になり、自社ECのさらなる快進撃につながっていきました。
ここまで情報量を多くすると、「サイトのデザインが汚い」とか「ユーザーにとって逆に不便になる」というご意見もあると思いますし、私もこれが完成形だとは思っていません。常に情報整理の必要性を感じています。しかし、売上・利益として結果が出ている以上、少なくとも我々が伝えたいことは伝わってきていると考えています。
上記はあくまでもひとつの事例ですが、売り手のエゴではなく、ユーザー目線に立って「EC事業者側として伝えたいこと」をユーザーに伝えられているかを見直してみてはいかがでしょうか。
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コマースプロデューサー 川添 隆(カワゾエ タカシ)
組織で動く企業の中で、組織・チーム・ユーザーのバランスをとりながら”組織Eコマース&デジタル推進”を泥臭く改革進める人。2社の企業再生経験があり、独自の方法論と実践を通じてEコマース事業において、1社では売上を10倍以上に、5社では2倍以上に増加させてきた。2017年より代表を務めるエバンで小売企業・D2Cブランド...
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