アパレルや雑貨の取扱いサイト「スーパーデリバリー」を運営するラクーン(3031)や広告代理店最大手の電通(4324)の14年度売上高が、前年度比で大幅減になった。要因を探ってみる。
卸サイト「スーパーデリバリー」運営会社、売上高ダウンの意味
ラクーンの主力事業は、会員出展企業1,065社よる掲載商材45.6万点を、会員小売店4.4万店舗に斡旋するという、BtoBサイト「スーパーデリバリー」の運営である(数値は15年4月末現在)。
アパレル・雑貨メーカーと中小規模小売店の仲立ちであり、メーカーにとっては卸サイト、会員小売店にとっては仕入サイトというわけだ。そのラクーンの14年度売上高は20.5億円と、前年度102億円から大幅に落ち込んだ。
ラクーンの売上高推移――従来基準と基準変更後
もちろん、経営状況が悪化したわけではない。売上高減少の要因は、売上高基準の変更によるものだ。それまで売上原価に計上していた商品仕入高について、売上高と相殺するようにしたためである。
たとえて言えば、百貨店方式を取りやめたということ。百貨店はテナントショップがお客に販売した時点で、テナントから商品を仕入れたことにして、同時に売上を計上する。実質的には、仕入れをしていないともいえるわけだ。在庫への計上もない。
ラクーンも同じように仕入れの計上を取りやめ、収入の本当の中身である、サイト利用者である会員出展企業や会員小売店からの月会費やシステム利用料のみを売上高に計上するように改めたわけだ。企業の実態をより正確に見せよういうことだろう。事実、売上高基準の変更を過去に適用すれば、売上高は順調に推移しているといっていい。
同社の事例を深読みすれば、売上高が大きいほうが見栄えがいいのは確かだが、それだけにとらわれるな、ということでもあろう。そもそも、売上高基準のみを変更したからといって、利益への影響は軽微。ショッピングサイトなどの提供にとどまり、実質的には手数料収入などに依存している他のネット関連企業を中心にラクーンに続くのか、注目したい。
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ビジネスリサーチ・ジャパン(ビジネスリサーチ・ジャパン)
1995年設立。代表・鎌田正文。週刊誌や月刊誌、経済誌などを中心に、金融・流通・サービス・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材・執筆。著者に『図解! 業界地図 2018年版』(プレジデント社)、『図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本 2012年版』(新人物往来社)、『図解 人気外食店の利益の出し方』(講談社+α文庫)、『[図解]儲けの秘密がよくわかる本』(PHP研究所)、『[図解]気になるあの会社の給料がわかる本』(PHP研究所)、『取締役の値段 6: 社会インフラ関連業界 [Kindle版] 』、『図解!業界地図2017年版』など。
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