今なお成長を続けるEC・通販業界。さまざまなノウハウやトピックが生み出されている反面、表面的な部分に振り回されている局面も散見されます。EC・通販事業者として、そのビジネスの「本質」が何であるのか。事業者としてユーザーにどのように価値を提供していくべきか。プランクトンR 執行役員 通販支援事業部長 川部 篤史氏が、あらゆる切り口からロジカルに解き明かしていきます。第5回は、製品の正しい実力と評価を引き出す、製品に合わせたコミュニケーションのコツについて述べていきます。
ダイレクトマーケティング広告における4つの「型」
前回は、新規獲得フェーズの広告から、リピート引き上げ・育成にいたるCRMの領域を、一連の流れとして俯瞰して捉えることについてお話しました。それぞれ個別詳細の領域について話し始める前に、まずEC事業者として心に留めておいていただきたいことをお話しします。
ダイレクトマーケティングの広告は、購入件数やクリック数としてその結果が明確になるため、広告の良し悪しがはっきりと数字に出ます。そのため、あらゆる事業者が多種多様なPDCAに取り組み、その知見がいたるところで積み重ねられてきています。それにより、レスポンスの高い広告へと導く成功法則が多数編み出されています。このような「型」を用いることは、無用な失敗を避けて、いち早く事業を成長軌道に乗せることができるので、

たとえば、これまでにセミナーで公開してきたもの(前職時代も含めます)としては、以下のような「型」があります。
顧客争奪が激しい商材には、説得型より共感型クリエイティブ
現在主流の説得型ロジックに基づくクリエイティブが広く行き渡った結果、ニーズが顕在化している顧客はほぼ開拓し尽くしてしまっていることも。そんなときは、ニーズ潜在層に気付きを与え、顧客転換への道筋へ導きやすい共感型クリエイティブが、新たな打開策となる。
キャッチコピーが紙面に占めるスペースの黄金比率は3分の1
顧客への訴求がブレずに再現性が高いのはやはりキャッチコピー。広告のもっとも大事な要素であるからこそ、しっかりと顧客にインパクトを持って伝わるように設計する。その比率の目安として、広告面の約3分の1のスペースを、キャッチコピーに使うと顧客に伝わりやすい。
トライアル販売は2段論法、本品直接購入は3段論法
トライアル商材は価格に対する心理的ハードルが低いので、購買に至りやすい。そのため、なるべくスピーディーに購買を促進する展開が望ましい。反対に、本品直接購入などの場合はハードルが高いので、しっかりとした説得が有効になる。これを紙面構成に当てはめると、前者は2段論法、後者は3段論法と論理構成に違いがある。
ユーザーボイスは4名以上
顧客が購買意思の最終決定をする際に重要なのが、ユーザーボイスによる客観的意見。顧客本人と同じ属性のユーザーボイスが納得感を高めるのはもちろんのこと、違った属性の人の肯定的な意見も参考意見として有効。なるべく多くの属性の人の意見があれば、より自己肯定を強化できる。広告での目安としては、4人程度が多すぎず少なすぎない良い塩梅。
いかがでしょうか。上記の中には、みなさんも既にご存知で実行しているものや、「型」という認識でなくとも、体感的に納得できるものもあるのではないでしょうか。
もちろん、どの「型」にも上手くいかなかったという例外はあります。しかし概ね、想定レベルの成功へと道筋が描けることが多いもの。上手に活用することで、事業収益化の基盤をいち早く確立することができます。
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株式会社プランクトンR 取締役 通販支援事業部長 川部 篤史(カワベ アツシ)
株式会社プランクトンR 取締役 通販支援事業部長 川部 篤史。
事業全体を俯瞰しつつ、豊富な知見に裏打ちされた、EC/通販事業での事業構築&製品マーケティング戦略立案・実行を得意とする。AI/オートメーションの活用や、中国越境ECにも明るい。現歴以前は、株式会社JIMOSで通販支援事業部長及びホールセー...
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