消費者の意思をデータで把握 生活に新たな価値をもたらすヤフー・データソリューションの挑戦
検索データ×人流データで新たに見えるものとは。OMO時代の消費者理解、ビジネス成長方法を考える。 ※本記事は、2022年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.23』に掲載したものです。
月間約8,600万人が利用し、約100のサービスを提供するポータルサイト「Yahoo! JAPAN」。同サイトを運営するヤフー株式会社は、検索・位置情報などの保有データを統計化し、ユーザーのプライバシーに配慮した形で情報提供、分析をサポートするサービス「ヤフー・データソリューション」を2019年より提供している。
自社の資産と言えるデータをオープンにすることで、世の中にどのような変化が訪れると考えているのか。オンライン・オフラインとさまざまなチャネルを持つ企業・ブランドが、ビッグデータとファーストパーティデータをフル活用することで広がる事業の可能性について、同社でデータソリューション事業本部 事業戦略部 部長を務める野口真史さんに話を聞いた。
人々の生活をより良くするためビッグデータの開放へ
データに基づいた事業の創造や成長、社会課題の解決を支援するため、産官学を問わず幅広い企業・団体へヤフー・データソリューションを提供するヤフー。2019年10月に同社のビッグデータをブラウザ上で調査・分析できるツール「DS.INSIGHT」と、データアナリストによるオーダーメイドなビッグデータ分析・コンサルティングを提供するサービス「DS.ANALYSIS」をリリースしてから3年以上が経過し、現在は計6つのツール・サービスを展開している。
「当社ではDS.INSIGHT、DS.ANALYSISに加え、BIツールや自社環境でヤフーのビッグデータを活用できる『DS.API』、すぐに分析・活用できる業界別定型データを提供する『DS.DATASET』、検索急上昇ワードや性別・年代別の傾向をお届けする『DS.GALLERY』、データ活用を推進するビジネスパートナーを支援する『パートナープログラム』を取り揃えています」
ヤフーは検索、ショッピング、ニュースなどのさまざまなサービスを介して、消費者の「今」の願望や行動をとらえている。同ソリューションを提供開始するまでは、これらを自社サービスの磨き込みや広告のターゲティング精度向上に役立てるなど、あくまでヤフーのユーザーの体験をより良くするために活用していたが、ポータルサイト提供者としての社会的意義、日本の消費者の動きをとらえる上でのデータの価値を考えた結果、オープン化を決断したそうだ。
「日本企業で月間約8,600万人の動きを可視化できるのは、恐らく当社だけではないかと自負しています。それ以上に特徴的なのは、データの多様性です。
当社は『Yahoo!検索』や『Yahoo!ニュース』で人々の興味関心といった心の動きを、『Yahoo!地図』や『Yahoo!カーナビ』『Yahoo!天気・災害』からは位置情報を、といったように、約100に及ぶサービスを通じて主観・客観双方のデータを取得しています。双方を掛け合わせた、いわば『マルチビッグデータ』を自社だけに閉ざしておくのはもったいないのではないか。データを使って世の中の見える化を進め、商品やサービスなど私たちの生活にかかわるすべてのものがより良くなれば、幸せになる人が増えるのではないか。ヤフー・データソリューションを開始した背景には、こうした考えが存在します」
すでに同ソリューションは、企業のみならず兵庫県神戸市、岡山県笠岡市などの自治体でも導入が進んでいる。神戸市では、三宮の再整備事業の施策検討時に行われた「人流を中心とした街の現状把握」をきっかけに、庁内全体でデータ活用の勉強会開催や施策への活用検討が加速。笠岡市では、市が運営するInstagramアカウント「カサオカスケッチ」のハッシュタグ選定や投稿タイミングの決定にDS.INSIGHTのデータを用いることで、人気観光エリア紹介動画の再生回数を6日で約2倍に、フォロワー数も導入後1ヵ月で1.5倍にまで伸長させている。
「人々の動きを幅広く知る必要がある公的機関での活用はもちろんながら、自社データだけでは掴むことができない『商品やサービスを利用したことがない消費者』『店舗や施設への来訪経験がない消費者』の可視化ができる点は、ヤフー・データソリューションの強みです。『新たな出会いを増やしたいが、どこにアプローチすべきかわからない』『競合他社の顧客を把握して、施策に役立てたい』といった要望には、とくにお役に立てると考えています」
メールマガジンに登録無料すると、続きをお読みいただけます
-
- Page 1
-
- Page 2
-
- Page 3
-
- Page 4
この記事は参考になりましたか?
- 季刊ECzine vol.23特集「Social merges with OMO~垣根なきコマースを実現する発想とテクノロジー~」連載記事一覧
-
- ソーシャルコマース時代のTikTok活用 EC担当者が知っておきたい魅力を伝えるコンテンツ...
- 双方向性がもたらす売りかたの変化 愛あるコマーサーが力を発揮する 好循環を生むライブコマー...
- 消費者の意思をデータで把握 生活に新たな価値をもたらすヤフー・データソリューションの挑戦
- この記事の著者
-
ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)
立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
