EC事業者がおさえておきたい13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。いつもの羽田野さんに、モールについて聞きました。※本記事は、2022年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.23』に掲載したものです。
Amazonで販売者が購入者にメール送付へ LTV向上施策
10月12日、13日にオンラインイベント「Amazon ECサミット 2022」が開催された。グローバルの最高責任者であるダグ・ハリントン氏が基調講演に登壇した他、Amazon Fashionがテーマのセッションには、モデルの冨永愛氏が登壇するなど、充実したタイムテーブルだった。
そんな中、羽田野さんが注目したのは「ヤマト運輸とAmazonの物流・フルフィルメントサービス」と題したヤマトホールディングス 長尾裕氏とアマゾンジャパンで販売事業者向けのフルフィルメントサービスを統括する吉沢直大氏が登壇したセッションだ。
「クール宅急便の実装を予定しているとのことでした。Amazonは、食品ECに力を入れる姿勢を以前から示していました。冷蔵、冷凍にも対応できるようになるとすれば、食品ECの分野を広げていく大きなポイントになるのではと考えています」
次に、2023年に実装予定だという販売事業者が購入者に直接メールを送付できる新機能についてだ。ちなみにアメリカでは、先行して9月に発表された模様。
「従来はフォローメールなどもAmazonから発信される仕組みのモールでした。今回発表された新機能実装後は、販売事業者から直接セグメントを切って送付することもでき、開封率やメール経由のコンバージョン、売上などの指標がデータで確認可能になるようです。商材によっては、一度購入していただいたきりの関係になってしまうこともあったと思いますが、メールでのコミュニケーションによってリピーターが育成できるようになるところが大きいと思います。LTV向上施策のための新機能として実装されるようです」
ちなみにセグメントは、新規顧客、過去12ヵ月以内に購入したリピーター、高額購入者など、さまざま切ることができ、LINEにも対応するようだ。
そして、前回の定点観測でも強化の傾向を紹介したが、Amazon内広告のうちスポンサーディスプレイ広告にも注目だ。
「メインとなるスポンサープロダクト広告以外だと、スポンサーディスプレイ広告を利用されている事業者が増えていると感じます。出稿にはブランド登録が必要になりますが、当社でもメーカー企業様やブランドをお持ちの店舗様には積極的に利用をおすすめしています。スポンサーディスプレイ広告の中でも動画広告は、検索結果画面に表示されるなど視認性が高い一方で、動画素材を用意できる企業様が少ないため、競争がそこまで激しくないのが現状です」
スポンサーディスプレイ広告について10月15日より、広告のリンク先をAmazonストアに設定できるようになっている。Amazonストアでは、商品ページへのリンクをまとめたり、ブランドについて説明したり、季節の特集ページを設置したりできる。
「より広告としての自由度が上がりました。Amazonストアにアクセスを集めることで、転換率の改善が見込めるのではないかと思います」
羽田野さんが感じとっている事業者の傾向として、Amazonへの広告出稿が増えているというものがある。Amazon広告は、Amazon内の商品ページやAmazonストアへの誘導はもちろんのこと、Amazon外のサイトにも誘導することができる。広告出稿を増やしている事業者も、かならずしもAmazon内でビジネスを完結させようとしているわけではなく、外部サイトにも誘導し、またAmazon外からもAmazonに誘導したりしていると言う。
「アメリカでは、Meta、Googleに次いで、Amazonへ投下する広告費が多くなっているという調査データも出ており、Amazonの存在感が増している。当社でも、複数チャネルをお持ちのクライアントには、モール内で完結せず、モール内外へ誘導して、お客様が買いたいタイミングと買いたい場所で購入できるようタッチポイントを増やしていくような広告活用をご提案しています。Amazon広告でAmazon外にも誘導ができ、またAmazonへの広告出稿が増えていることから、当社がおすすめしてきた流れが間違っていなかったのだなと感じています」
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倭田 須美恵(ワダ スミエ)
2013年11月11日、ECzine立ち上げ。ならではの視点でECに関する情報をお届けしたいと思います。
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