コメ兵、ユナイテッドアローズでDXを推進した後に、現在は株式会社300Bridge 代表取締役として経営、事業戦略、デジタルに関する各社のサポートや情報発信を行う藤原義昭氏。同氏が2018年から2019年にかけて連載していた「オムニチャネルの次の話をしよう」が、アップデートして帰ってきました。連載第4回は株式会社R6B 代表取締役 師橋淳一氏と対談。前編は、師橋氏の視点から見たShopify構築・運用トレンドの変化について教えてもらいました。
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ギルド集団で切磋琢磨できる 黎明期に感じたShopifyの魅力とは
藤原(300Bridge) 師橋さんのことは、ずっと「インターネットさん(※当時のXアカウント名)」として存じ上げていたのですが、対面で初めてお会いしたのは半年ほど前ですよね。改めて、これまでどのようなお仕事をされてきたのか、教えていただけますか?
師橋(R6B) 2019年に株式会社R6Bという会社を立ち上げ、Shopify構築支援を中心に行っています。これまでに579サイトの構築を手がけてきました(2025年10月時点)。この数はアジア最大規模で、ここが当社の強みだと考えています。
藤原 キャリアとしては、ずっとEC業界なのでしょうか?
師橋 そうですね。最初はネットショップ立ち上げの営業をする立場でした。10年ほどいわゆる“サラリーマン”をやって、独立して一度フリーランスになったのですが、その後仲間と一緒にR6Bを立ち上げています。
藤原 Shopifyと出会ったのは、どんなタイミングだったのでしょうか?
師橋 独立した当初は、いわゆる“なんでも屋”のように顧問コンサルからありとあらゆるEC関連の仕事を受けていました。やっていくうちに仲間が増えて、2~3人ほどで仕事を回していたのですが、漠然と「10年後に跳ねるものを選択してやっていかないとね」と思っていた時にたまたま手がけたのが、ShopifyでのEC構築だったんです。一緒にやっていたエンジニアから「これはEC業界を大きく変える可能性があると思う」といわれ、実際に自分でも手応えを感じたので「Shopify構築専門企業」と大きく舵を切って今に至ります。
藤原 時期的には、Shopifyの日本法人立ち上げ(2017年10月)ぐらいの頃ですかね。
師橋 そうですね。まだ日本では「カナダから来た得体の知れない会社」という印象が強く、「海外製のECプラットフォームが日本の商習慣に適応できるのか?」と懐疑的に見ていた人も多かったのではないかなと思います。
ただ、Shopifyはこれまで海外から上陸してきたプラットフォームと明らかに違う点がいくつかありました。一つはUIの拡張性で、もう一つはエコシステムやコミュニティを構築する動きです。ベンダーの下請けとして仕事をいただく従来の構図ではなく、Shopifyを起点にそれぞれの得意分野を生かしながら、各社が切磋琢磨できる。大変理想的だなと思いました。
実際、当時はShopifyが設けてくれたパートナー同士の集いの場から、ギルドのようなコミュニティが広がっていったんですよ。R6Bとしては、その流れに乗れたのが一つの大きな転換点でした。
藤原 ちょうど当時は、EC業界の拡大とともに構築需要も増えていたけれど、案件のミスマッチによるつまずきが目につくようになっていた時期ですよね。僕も当時はEC事業者側でしたが、担当者がナレッジをもっていなければプロジェクト推進が難しい時代だったなと記憶しています。
師橋さんは、まさにそんな時期に市場の様子を体感しつつ、Shopifyの可能性に賭けて動き出していたのだと思われますが、当時はどんな状況でしたか?
師橋 2019年頃からShopifyの評判は徐々に広がっていましたが、大きな変化はやはり2020年のコロナ禍でした。「仕事が体感10倍に増えた」といっても過言ではないぐらい、EC業界はどこも忙しかった時期ではないでしょうか。
EC事業を展開する各社のShopifyに対する印象が変わったのも、このタイミングだったと思います。これまでは「スクラッチじゃないと難しいのでは」と思われていたような大規模サイトの構築例も出てきましたよね。R6Bでも「ARC'TERYX」や「Salomon」の構築をさせていただく中で手応えを得ていました。
可能性の面でいうと、ヘッドレスコマースの仕組みを取り入れているShopifyであるからこそできる改修も存在します。従来であればフロント、バックエンド双方に手を加えなければならず、コストや工数の大きさから後回しになっていたような抜本的な改革も、プロジェクトマネジメントさえしっかりできれば実現可能です。
藤原 そのプロジェクトマネジメントが難しいんですけどね(笑)。
師橋 確かにそうですが、この仕組みはうまく活用すればEC運営の大幅なコストダウンが叶うので、提案する側としては大きな利点だなと思っています。
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ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)
立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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