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MarkeZine Day 2026 Autumn

300Bridge代表 藤原義昭氏と探る 小売×デジタルの次なる転換点

顧客から「持続的に選ばれる」ための要素とは?AI時代の生存戦略【ファミマ南雲氏×藤原氏対談・前編】

 本記事では、CommerceZineリニューアル記念対談の前編として、トリドールHD/丸亀製麺のCMOからファミリーマートのエグゼクティブディレクターへと転身した南雲克明氏と、300Bridge代表の藤原義昭氏が「売上を上げる確率を高める方法」の正体を紐解きます。前職時代から大事にしている「想起と衝動」の法則から、アパレル業界に衝撃が走ったファミリーマートの「コンビニエンスウェア」のヒット要因、さらにAI時代の新たな購買行動まで。データと感動を両立させ、選ばれ続けるブランドをつくるための本質的な思考に迫ります。

丸亀製麺のV字回復を支えた「想起」と「衝動」の法則

藤原:南雲さんが丸亀製麺時代に実践されてきたロジカルなマーケティングの考え方は、ファミリーマートに移ってからも全くブレていないという第一印象を受けました。今日はそのあたりも含めて、ブランドが選ばれ続けるための構造について深掘りさせてください。

南雲:よろしくお願いします。ブランドが選ばれ続けて、結果として繁盛し続けるためには、まず人間の頭の中に浮かぶ「想起」が一番重要だと考えています。

株式会社ファミリーマート エグゼクティブディレクター CSCO補佐(商品価値・MD改革) 南雲 克明氏
株式会社ファミリーマート エグゼクティブディレクター CSCO補佐(商品価値・MD改革) 南雲 克明氏

 特に、実体験に基づく記憶やすでに刷り込まれている先入観、イメージになっていることが理想的です。この状態をつくり、維持するためには、自分のブランドを選んでもらう理由や他との違いをしっかりと伝え、お客様の頭に浸透させていくことが求められます。

 「何か買おう」「どこかへ行こう」「何か食べよう」と思ったときに、真っ先に想起される状態をつくるのが1つ目の基本です。

 2つ目は「衝動」です。これも飲食店・コンビニに共通するポイントですが、「ダメだとわかっているけれど無性にポテトチップスが食べたい」といった、人間が常に持つ欲求や本能にアプローチしていくことです。

 理性を超えて衝動を掻き立てるような商品やネーミング、シズル感のあるクリエイティブを展開し、「衝動的に買いたい」と思わせる状態を生み出す。丸亀製麺時代は、この「想起」と「衝動」の2つに最も重きを置いてきました。

 これらをしっかりと捉えていれば、基本的に数字が下がることはありませんでした。そして、この想起と衝動の先にあるのが「習慣化」です。

 丸亀製麺であれば「週に1回は丸亀製麺のうどんを食べたい」、ファミリーマートであれば「毎日帰り道沿いのファミリーマートに寄る」といった習慣にまで落とし込むことができれば、ブランドは圧倒的に強くなります。

習慣化につながる来店頻度を生むには「強い衝撃」が必要

藤原:南雲さんが説明した、顧客が習慣化するまでに必要な要素のほとんどに同感します。ただ、コンビニエンスストアという業態においては、単なる「フリークエンシー(来店頻度)」だけでは、他のコンビニエンスストアとの差別化になりにくいのではないかと考えています。

南雲:確かに、コンビニエンスストアに行って人生が変わるほどの衝撃を受けることって、普通はなかなかないですね。

藤原:だからこそ、フリークエンシーとともに「他とは比べ物にならないくらいおいしいスイーツ」のような、他では買えない圧倒的なプロダクトが必要になります。

 個人的には、ファミリーマートで言えば、落合宏理さんが手掛ける「コンビニエンスウェア」がまさにその衝撃でした。私がユナイテッドアローズに在籍していたころ、アパレルに精通する同社の社員がコーディネートにコンビニエンスウェアを取り入れるようになったんです。

 たとえばアパレル企業がTシャツを生産する場合、どんなに多くても1万枚程度の生産数です。しかし、ファミリーマートは国内に16,000店舗以上あり、それらの店舗に在庫させることを考えると、その数字をはるかに上回る生産数になるはずです。

 生産ロットの概念が全く違うため、ビジネスモデル自体が根底から変わった。アパレルのプロさえも巻き込むストーリーと、他社には真似できない衝撃の強さ。これこそが、コンビニエンスウェアが選ばれるための強力な武器になっていると感じました。

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購買を加速させる「個人の推奨」、どうすれば生まれる?

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/06/22 08:00 https://markezine.jp/article/detail/76975

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