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MarkeZine Day 2026 Autumn(2026.09.08-09)

小売のAI活用 ~業務効率化からエージェンティックコマースまで~

AIに見つけられ顧客に選ばれるには?アクセンチュアに聞く、3段階の「エージェンティックコマース」対応

 AIエージェントが生活者に代わって購買を担う「エージェンティックコマース」。検索や購買の入り口が大きく変化するという見通しは立っているものの、国内ではいまだ概念的な議論にとどまり、実務への落とし込みに頭を悩ませる企業も少なくないだろう。本稿では、アクセンチュアでコマース領域をリードする中尾達也氏に取材。購買行動の変化から、業界の最新動向、企業が準備すべき体制やマインドまで、今日から活かせる具体的対応策を聞いた。

独自調査データから読み取る、生活者の購買行動の今

 エージェンティックコマースは「まだ先の話」と捉えられがちだが、生活者側の変化は既に始まっている。アクセンチュアでは、世界16ヵ国2万5,000人以上の生活者(日本: 1,005人を含む)を対象に実施した最新の生活者調査「Talk to my AI Agent」を2026年に発表した。

 AIエージェントに対する受容度の高さが浮き彫りとなる、顕著な結果が表れた。同調査によると、買い物を代行させるなら「親友よりもAIエージェントを信頼する」と回答した日本の生活者は、既に75%に上った

 生活者が、パーソナライズされた個人用AIエージェントに信頼を寄せていることも明らかになっている。58%は、「どのブランドを購入候補とすべきか」をまずAIエージェントに指示すると回答している。しかし、そのように「好みのブランドがある」ブランドにとってのロイヤルカスタマーであっても、AIエージェントが最適な選択肢を示せば乗り換えを辞さない生活者は34%。ブランドが築いてきた関係性が覆される可能性は高まっている。

 一方で、すべてが自律的な購買に傾いているわけではない。日本の生活者の39%は「買い物を楽しみたい」「ブランドとの感情的つながりを大切にしたい」と考えており、22%は実店舗を「心躍る体験」を生み出す場としてさらに重要になると回答している。

 このように、生活者がAIとの対話を通じて態度変容を起こすようになる時代に向けて、企業はどのようにこの潮流を捉え、対応していくべきなのだろうか。

プラットフォーマーの変動から見る、エージェンティックコマースの現在地

 現在地を捉える上で、中尾氏はプラットフォーマーの動きから2つのトピックスを挙げた。

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アクセンチュア ソング マネジング・ディレクター 中尾 達也氏
2015年に株式会社タンバリンを設立、消費財・エンターテインメント企業向けのECサイト構築やCX提供を手掛ける。2021年、アクセンチュアによる同社買収にともない参画

 1つ目は、2025年9月にOpenAIが発表した「Agentic Commerce Protocol(ACP)」だ。ACPとは、AIエージェントがユーザーへ商品を提案するだけでなく、購買までをも代行して完了できるようにするための基準であり、ACPを活用したChatGPTの「Instant Checkout」という機能もリリースされている。これを受けて2025年10月にはWalmartがOpenAIとの提携を発表し、同年11月のサイバーマンデーには早くも成果が見られたという。

  2つ目は、2026年1月にGoogleが発表した「Universal Commerce Protocol(UCP)」。ACP同様にエージェンティックコマースを推進するための共通ルールを定めたものとなり、ECプラットフォームのShopifyや米国の大手スーパーTargetをはじめとした小売企業・プラットフォームや決済ベンダーが支持、参画を進めている状況だ。

 この2社の動きが意味するのは、購買の入り口を「検索」から「AIエージェントとの対話」へと移行する準備を、プラットフォーマー側が着々と進めているということ。「とりあえず検索する」が「まずは生成AIに相談する」に代わるのは時間の問題だろう。

 企業が取るべき対応の方向性は大きく2つ。ChatGPTやGeminiなどの生成AI(LLM)側に商品やブランドを正しく理解してもらう「汎用エージェント対応」と、自社独自の接客ノウハウや顧客理解を組み込む「オウンドエージェント構築」だ。

 重要なのは、どちらか一方だけ対応すればいいわけではないこと。エージェンティックコマースへの対応は、汎用エージェントに「見つけられる」準備と、自社ならではの「選ばれる理由」を磨く取り組みを、並行して進める必要がある

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いつまでに何が起こるのか?12〜24ヵ月のロードマップを解説

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/08/04 08:30 https://markezine.jp/article/detail/77021

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