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次なる顧客体験へ 大手企業の目線

「遊び心」と「育てる運用」で成果と独自性を両立!ZOZO事例に学ぶ、ユーザーを飽きさせない体験設計

 1万1,000以上のブランドを取り扱うZOZOTOWN(2026年3月末時点)。同サイトの販促を担う販売促進部では、施策を一度で終わらせず、データをもとに改善し続ける「育てる運用」を徹底している。2025年末のプレセールでバナー改善によりCTR2倍以上、売上132%を達成したロジックや、SNSで大拡散された「少数決キャンペーン」に見る遊び心と数値目標の両立、そして実需期と閑散期を繋ぐこれからのEC体験設計の思想を聞いた。

なぜ販促企画を「育てる」?ZOZOTOWNの振り返り文化

――まずは、山野さんのご担当業務とチームの体制について教えてください。

 EC推進本部 販売促進部の販促企画Aブロックに所属しています。ZOZOTOWN上で展開される施策全般の運用管理をはじめ、「ZOZOWEEK」や「ZOZOSALE」といった大型施策、サービス紹介やキャンペーン情報を掲載する特設ページ(LP)の企画・進行管理が主な業務です。

株式会社ZOZO EC推進本部 販売促進部 販促企画Aブロック 山野 悟氏
株式会社ZOZO EC推進本部 販売促進部 販促企画Aブロック 山野 悟氏

――ZOZOの販促企画では「育てる運用」を大切にしていると聞いています。その考え方に至った背景を教えてください。

 販売促進部では、出した企画や成果物を「やって終わり」にせず、当初の目的に対して成果につながったかを振り返る文化が元々根付いていました。

 その延長線上で、最後までこだわって実施した企画の振り返りを行っていたところ、同じ企画を数ヵ月後に改めて実施する機会が増えてきたんです。その際、前回の振り返りを踏まえながら、コンテンツの切り口や見せ方を継続的にアップデートするようになり、その積み重ねの中で自然と「育てる文化」が生まれていきました。これは全社的なスローガンではなく、私たちの部署から自然発生したものです。

 企画を単発で終わらせず、継続的に改善しながら育てていくことでユーザー体験の質が高まり、飽きさせない設計が実現できます。その結果、ブランド様にとっても売れる場になり、売上の最大化につながると確信しています。

あえて商品を見せない「ZOZO箱」バナーでCTR2倍以上、売上132%を達成した仮説検証

――2025年実施のプレセールでバナーのCTRが前年比2倍以上になったそうですね。どのような変更を行ったのでしょうか。

 2025年12月のプレセールで実施した改善です。従来は、売れ筋の複数商品の画像を並べたバナーで訴求していました。しかし、このときはそれをガラリと変え、ZOZOらしさを象徴する「ZOZO箱(配送時の段ボール)」を前面に出したクリエイティブに刷新したんです。ユーザーへの新鮮さや印象残りを狙って、あえて「商品を見せない」という構成を選択しました。

――商品画像がないとクリックされないのではないか、という懸念はありませんでしたか。

 もちろん当初はそうした懸念もありましたが、あえてアイテムを見せないことで「何の企画だろう?」という興味関心を惹きつけられると考えました。

 商品画像を外した分、バナーには「プレセール」の文字やブランドカラーをシンプルに配置し、スクロールのなかでも一瞬で認識できる視認性を重視しました。その結果、セール開始のインパクトが直感的に伝わり、CTRが前年比で2倍以上に改善しました。さらに、企画ページ経由の売上も前年比132%と、非常に高い成果を残すことができました。

――商品を隠して「ZOZO箱」を出すという大胆な仮説はどこから生まれたのでしょうか。

 実は、このプレセールの直前に開催した「ブラックフライデー」のイベントで、試験的にZOZOの箱をバナーに出してみたんです。ブラックフライデーにちなんで、ZOZOTOWNの「黒箱」とリンクさせたのですが、そのときのユーザーの反応が非常に良かったので、プレセールでも活用しました。

 ある企画の良い部分は、別の企画でも通じるので、クリエイティブやLP内のコンテンツには積極的に横展開して踏襲するようにしています。チーム内では、週次の定例会議で終了したキャンペーンの振り返りを全員で発表・共有するサイクルを回しています。

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単一の指標に惑わされない。マーケティングファネルで捉える複数指標の運用術

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/07/02 07:00 https://markezine.jp/article/detail/76977

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