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次なる顧客体験へ 大手企業の目線

「遊び心」と「育てる運用」で成果と独自性を両立!ZOZO事例に学ぶ、ユーザーを飽きさせない体験設計

EC担当者が販促企画で最初に着手すべきことは?

――多くのEC事業者がリソースの限界に直面する中で、自社サイトの運用において「これだけは真っ先に改善すべき」というポイントがあればアドバイスをお願いします。

 販促企画におけるユーザー動線は、流入、検討、購入の順に進んでいきますので、まずは最上流である「流入」にフォーカスして改善すべきです。どれだけページの中に素晴らしいコンテンツや商品を用意していても、ユーザーの興味関心を引きつけてページに来てもらえなければ、結局は購買にはつながりません。

 トップバナーやサイトのファーストビューといった、ユーザーと最初に接触する箇所の訴求を見直すことが最も成果につながりやすいと思います。「どう気づかせて、どう連れてくるか」という入口の最適化を最優先に取り組むのがおすすめです。

 また、設計面や数値データだけでなく、「自分が一人のユーザーだった場合に、本当にこれを見たいと思えるか、ワクワクするか」という客観的な視点を常に大切にすることも忘れてはなりません。

買いたくなる体験のストーリーを描く

――今後のEC市場を見据えたとき、これからの販促企画にはどのような「体験」が求められていくとお考えですか。

 EC市場全体が拡大し、競合との競争も激しくなる中で、単に商品を綺麗に並べて置いているだけでは差別化が難しくなっています。これからは、「買いたくなる体験」をいかにストーリーとして設計できるかがより重要になります。その上で鍵を握るのは、適切なタイミングで適切なコンテンツを用意し、一連の流れでユーザーの行動変容を引き出すことです。

 アパレル業界には、需要が比較的落ち着く閑散期や、気候や年間イベントなどの外部要因による実需の波が明確にあり、それぞれのタイミングで求められる企画は異なります。これらを単発の企画で完結させるのではなく、つながった一つの流れとしてユーザー体験を設計することが重要です。

――具体的には、閑散期と実需期をどのようにつなぎ込むのでしょうか。

 たとえば、アパレル需要が落ち着く閑散期に関しては、次の実需期へ向けた「助走期間(種まき)」と捉えます。この時期は、無理に購入を促すのではなく、エンゲージメントを高めたりするための「お気に入り登録キャンペーン」などを仕掛けます。

 先ほどお話しした「ZOZOセール」の事例でも、1月1日のセール本番が始まる直前の年末にティザーページを用意しました。そこであらかじめセール対象になるアイテムを公開し、ユーザーに「今のうちにお気に入り登録をしておこう」という行動を企画の中に自然に溶け込ませて喚起したんです。

 そして実需期を迎えたら、お気に入り登録されていたアイテムが値下げされた通知が飛び、プライスプロモーションによって一気に売上を獲得する。このように種をまき、ニーズが高まったタイミングで購入いただくという、一連の流れとして販促を捉える思想が大切です。

 それぞれのタイミングで求められる役割は明確に異なるので、目的に応じて最適な役割を果たす企画を作っていくことが、質の高いユーザー体験を生み出し、最終的にはブランド様にとっても「売れる場」としての価値提供につながっていくと考えています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/07/02 07:00 https://markezine.jp/article/detail/76977

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