エムエム総研が運営するSaaSセールス特化型転職エージェント「マーキャリNEXT CAREER」は、SaaS事業を展開する企業の責任者・マネージャー層を対象に、SaaS企業における「ドメインエキスパート」活用実態調査を実施した。
SaaS企業の約9割が新たな業界・領域への展開を推進と回答
はじめに、「現在、貴社では事業成長に向けて、特定の業界・業務領域への新規展開・拡大を進めているか」と質問したところ、約9割が「積極的に進めている(41.9%)」「一部進めている(49.4%)」と回答した。
大多数のSaaS企業が、既存の市場にとどまらず、新たな業界や業務領域への新規拡大を進めており、SaaS業界全体が次なる成長フェーズへ移行していると推測される。
次に、「予定はない」と回答した人以外に、「新しい業界・業務領域へ展開するにあたり、課題となっていること」を聞いたところ、「特有の法規制やルールの対応(51.7%)」と回答した人が最も多く、後に「現場のリアルな業務課題の理解(43.5%)」「独自の商習慣や決裁フローの把握(35.8%)」が続いた。
「採用時に重視する経験」で経営と現場に明確なギャップ
続いて、特定の業界・業務領域への新規展開・拡大について「予定はない」と回答した人以外に質問した。
「営業やCS(カスタマーサクセス)などビジネス職を採用する場合、どちらの経験をより重視するか」について尋ねた結果、採用時に重視する経験において、「経営統括部門」と「営業・CS部門」の回答の間に明確なギャップが見られた。
経営統括部門では、約半数が「SaaS業界での経験(49.2%)」と回答しており、現場のドメイン知識よりも、SaaS特有のビジネスモデルへの深い理解や、事業をスケールさせるノウハウが経営視点で優先されていると考えられる。
一方で、営業部門とCS・サポート部門では、どちらも半数以上が「特定の業界・業務領域での経験(営業 54.2%、CS 51.2%)」を重視しており、SaaS経験を圧倒している。
優先して配属したいのは「カスタマーサクセス」
では、特定の業界経験を持つ人材(ドメインエキスパート)に対して、企業はどのような貢献を求めているのか、「ドメインエキスパートに期待する役割」という設問では、「商談化率・受注率の向上(33.8%)」と回答した人が最も多く、「ドメインへのプロダクト適合(PMF)加速(32.8%)」「解約率改善・LTV向上(29.5%)」となった。
「受注率の向上」だけでなく、SaaSの成長指標である「プロダクト適合(PMF)の加速」や「解約率改善」に期待が寄せられていることが判明した。ドメインエキスパートは、目前の売上を作るだけでなく、顧客の声を開発部門へ翻訳し、サービスを市場に適合させるための架け橋としての役割を担っているといえる。
続いて、「ドメインエキスパートを優先して配属すべきだと思うポジション」を質問したところ、「カスタマーサクセス(36.7%)」と回答した人が最も多く、「マーケティング・広報(35.3%)」「営業(31.5%)」「RevOps・イネーブルメント(31.5%)」となった。
ドメインエキスパートの採用、7割以上が「活躍している」と回答
ドメインエキスパートに期待する役割などが明らかになったが、入社後は期待どおりの活躍を見せているのか。「異業種から採用したドメインエキスパートは期待どおりの活躍をしているか」と質問したところ、「期待以上に活躍している(16.2%)」「おおむね期待どおり活躍している(51.8%)」「期待をやや下回っている(24.4%)」「期待を大きく下回っている(4.5%)」「採用したことがない(3.1%)」という結果だった。
異業種出身者の採用には適応面での課題がある一方、実際に採用した企業の7割以上が現場で活躍しているという結果は、ドメインエキスパートが一定の評価を得ている実態がうかがえる。
このように現場で一定の成果を上げている現状を踏まえ、今後の採用戦略をどのように見据えているのか、「今後2年間でドメインエキスパートの採用を強化したいと考えるか」と質問したところ、8割以上が「積極的に強化したい(29.3%)」「やや強化したい(52.7%)」と回答した。
SaaS企業における「ドメインエキスパート」活用実態調査
調査期間:2026年8月14~17日
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1,033人
調査対象:調査回答時にSaaS事業を展開する企業の責任者・マネージャー層と回答したモニター
調査元:エムエム総研
モニター提供元:サクリサ
