「生成AIを導入したものの、期待した成果が得られない」──。多くの企業がこの壁に直面するなか、ビズリーチはわずか半年で約4,000時間の削減効果(約1億円規模の価値創出)を生み出した。プロジェクトの旗振り役となった山内氏が貫いたのは、「事業成果の創出」を第一義に置いた、着実な実行だ。本インタビューでは、ボトムアップの熱狂を呼び起こし、現場の行動変容を実現した戦略の全貌に迫る。
「検索利用」で終わらせない。AIを「事業成果」につなげる設計思想
──2025年4月にビズリーチへ入社し、AI活用推進の旗振りを担ってきた山内さん。当時はすでに活用自体は浸透していた一方で、「静かな停滞」とも言えるもどかしさがあったそうですね。
入社当時、生成AIを利用できる環境やガイドラインはすでに高水準で整っており、活用率も他社に引けを取らない数字でした。しかし、利用の多くが「情報の検索」の域に留まっており、「浸透はしているが、活かしきれていない」──そんな実態が見えました。
一部で高度に使いこなしているメンバーもいましたが、そのナレッジは各所に点在し、組織としての再現性が低い状態でした。この構造的な課題を解決することが、私の取り組むべきテーマだと捉えました。
株式会社ビズリーチ 事業開発室 ⼭内聡⼦(やまうち・さとこ)氏
筑波⼤学卒業後、2016年にSBヒューマンキャピタル株式会社へ⼊社。カスタマーサクセス部⾨の⽴ち上げをはじめ、マーケティング、経営戦略、事業開発、DX推進など幅広い領域に従事。2025年4⽉より株式会社ビズリーチ事業開発室に⼊社。現在は、社内のAI活⽤推進や採⽤マーケティングを中⼼に、次世代の顧客価値創出に向けたプロジェクトに従事している。
──多くの企業が直面する、「導入したものの成果につながらない」という壁ですね。山内さんは、この状況を打破するために、何から着手されたのでしょうか。
まず最初に、「AI活用を事業成果に直結させる」というミッションを掲げました。単なる効率化で終わらせず、その活用がいかに事業成長に寄与したかを可視化することが重要だと考えたのです。
その実現に向け、前職のDX推進で培った知見を活かし、「現場・経営・文化」の3ステップからなる変革のロードマップを設計しました。
「現場・経営・⽂化」の3ステップ
- STEP 1:現場発で「成果」につながるAI活用の成功体験を具体的に作る
- STEP 2:その成果を経営や全社戦略に接続し、再現性のある組織にする
- STEP 3:全社で楽しみながら持続的・自発的に学び続ける文化を醸成する
この3つのステップに一貫しているのは、「ボトムアップ」を重視していることです。トップダウンの号令や、聞こえの良いスローガンだけでは、推進の停滞を招くのではないかと予測していました。
だからこそ、まずは現場の視点に立ち、「AIは味方であり、価値ある業務に注力させてくれる武器だ」という納得感を醸成することが不可欠でした。このボトムアップ的な視点こそが、変革を加速させる鍵になると考えたのです。
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- この記事の著者
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SalesZine編集部 宮地真里衣(セールスジンヘンシュウブ ミヤジマリイ)
2018年に中央大学を卒業後、1年半営業職として従事。2019年秋に編集職へ転身し、広告編集プロダクションにてビジネス系ウェブメディア、ファッション誌、週刊誌などの記事広告や販促物の企画・編集に携わる。2022年11月~翔泳社 SalesZine編集部に所属。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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