結果を出している営業マンは心理学を熟知している。「心理学」と聞くと少し難しいと感じる人もいるだろう。営業において心理学は小難しいアカデミックな学問ではなく、実践的なものである。実は普段なにげなく商品を買っているなかでもたくさん心理術は応用されている。心理は売る側も買う側も知っておいたほうがなにかと有利だ。今回は心理術のひとつ「ハロー効果」について例を交えてご紹介させてほしい。
トップ営業マンが密かに活用している「ハロー効果」
「トップ営業マンは優秀な心理学者でもある」という言葉を聞いたことがないだろうか?トップ営業マンは例外なく人の心を動かす心理学に詳しい。ときどき天然で売れてしまうトップ営業マンもいるが、そういった種類の人たちも根底には理論的に裏づけされた心理学が存在している。心理学を営業に応用することで、いま売れない時代のなか結果を出し続けているのだ。
心理学はたくさんあるが、そのひとつに「ハロー効果」というものがある。もっともメジャーな心理学なので一度は耳にしているかもしれない。ハロー効果は初対面・第一印象に役立つもの。まずはハロー効果について解説させてほしい。
[解説]ハロー効果とは
ハロー効果とは、人や事物のあるひとつの特徴について良い印象を受けると、その人・事物のほかのすべての特徴も実際以上に高く評価する現象のこと。これをポジティブハロー効果という。
ただし、ハロー効果は逆の効果をもたらすこともあり、人や事物に悪い印象を受けるとそのほかの事すべて関して、実際以上に低く評価してしまう。このことをネガティブハロー効果という。

わかっていても人は「肩書き」に弱い
ポジティブとネガティブがあるが、営業ではポジティブハロー効果が役立つ。いちばんわかりやすく、ベタな例は大学名だ。「どこの大学を出たか」によって評価する人は少なくない。
たとえばあなたの会社に東大卒の新入社員が入ってきたらどう思うだろうか?会う前から「きっとすごい新人だぞ」と思うはずだ。私の身近には東大卒の方はいなかったが、有名国立大学、早稲田、慶応などの一流大学を卒業した人はいた。それだけで期待され、いちばん良い部署に配属されていた。
ただ、有名大学を卒業しているからといって、社会で結果を出せるかどうは別問題である。会社にはテストの点のような公平な評価基準はない。カンニングしようが、ごまをすってえこひいきされようが結果を出した人の勝ち。優等生はこういった世界に戸惑うだろう。
いままでも「高学歴なのにまったく成果が出ない」という人に何人も会ってきたはず。にもかかわらず高学歴と知ると「あの人はすごい!」と思ってしまうものだ。
とくに営業職は学歴と営業成績はまったく関係ない。あるとき、有名大学を卒業してきた新人が入ってきたことがあった。当然、上層部は期待する。
しかし、頭が良すぎる彼は「こんな無駄な行動をしても意味ありませんよ」と言い訳ばかりして行動しない。見事に結果を出さないまま会社を去っていったのだ。
学歴と営業成績は関係ないとわかり切っていても、良い大学名を聞くたびに「すごい新人が来るぞ」と思ってしまう。これがポジティブハロー効果である。
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営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明(キクハラトモアキ)
群馬県生まれ。大学卒業後営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。その後訪問から”営業レター”に手法を変えたことで4年連続トップの営業マンに。2006年に独立、講演活動、研修を行っている。2010年より関東学園大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を伝えている。2025年までに83冊の本を出版。ベストセラー、海外で翻訳多数。
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