営業の世界も「セールストランスフォーメーション」の時代に入ったと言われている。「トランスフォーム」とは「完全に姿を変える」という意味である。これまで、日本の営業組織の多くは、現場の自助努力で改善するという「現場力」に頼ってきた。しかし破壊的なテクノロジーの発達により、それだけでは立ち行かなくなっていることは誰しもがうなずくところではないだろうか。顧客自身の購買方法、営業組織への期待も明らかに変化している。我々は何をどのように「トランスフォーム」すべきなのだろうか。
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勝てる営業組織になるために
本連載では、 最新の世界のセールスベストプラクティス調査の結果をもとに、この変化と混乱の時代に、どのようにして自社の営業組織を「勝てる営業組織」にするのか、具体的な実践という視点から議論を展開していく。単に理想的な姿を示し非現実的な抽象論に終始するのではなく、読者の方々が自社の営業組織の未来の設計図を具体的に描けるような構造化した問いを提供していくことを試みたい。
そこで初回は、標題のセールスベストプラクティス調査とはどのような調査なのか、そして最新の2019年度調査結果からは何が見えてきたのか、どのような示唆が得られたのかについて概要をまとめ、次回以降の連載全体の概略を紹介する。
セールスベストプラクティス調査とは
セールスベストプラクティス調査とは、当社のパートナーであるミラーハイマングループの調査機関CSOインサイトが、「成功する営業組織は何をしているのか」を主題として、過去20年にわたり実施してきた調査である。法人営業に携わる営業組織および営業の活動を分析し、世界トップクラス(本調査ではワールドクラスと呼ぶ)のパフォーマンスを生み出しているベストプラクティスを抽出する。それをもとに各社の営業パフォーマンスを改善するための戦略検討のベンチマークとなる調査結果やデータ、およびさまざまな洞察を提供している。
最新の2019年調査は約950人のシニアセールスマネジメント(営業部門長、営業部長)を対象に行われた。ワールドクラスの営業組織は全体のわずか9%だが、このワールドクラスの営業組織が優れている特徴的なプラクティスとして、カスタマーエンゲージメント、パフォーマンスサポート、戦略アラインメントという3つの領域で、12のベストプラクティスが抽出された。詳細は後述するが、そこには過去数年に共通した課題とともに、新たな側面も見出されている。本稿では、まずその新たな側面として4つのポイントを紹介する。
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パーソルラーニング株式会社 コンサルタント 小林 惠子(コバヤシ ケイコ)
パーソルラーニング株式会社 コンサルタント。国際協力分野専門の総合的なシンクタンク、および精密機器メーカー勤務を経て2000年、当社に入社。主にグローバルアカウントセールスとして外資系企業の営業力強化、M&A後の組織づくり、次世代リーダーの育成などの支援に携わる。また、海外パートナーと協働して国境・文化・言...
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