第1回・2回では、営業管理(商談の管理)について詳述してきた。CRMやSFAを導入し、既述の取り組みを見直すことで飛躍的に営業管理を高度化できる企業も少なくはないであろう。しかし、すでにこのような取り組みを行っている先進的な企業においても、営業現場での販売力強化が遅々として進まないと悩まれている企業も少なくはない。一体なぜなのだろうか。第3回では、「なぜ導入がうまくいかないのか?」――その原因について紐解いていく。
営業の現場では何を困っているのか?
第1回で述べたように、営業現場ではCRMやSFAの導入に対する期待値と効果のギャップが管理面ではなく現場でのスキル面において大きく乖離している。
しかし、これは自明のことだとも言える。なぜなら多くのCRMやSFAは、顧客との取引状況や商談の「プロセス管理」を目的としているため、スキルの向上にフォーカスした要件定義を行われていないケースが多く、目的と期待効果に対するギャップが発生するのは当然なのだ。
極端な話をすれば、営業担当者が商談管理ツールへいくら正確に活動情報を登録してみても、顧客情報や組織図(ペネトレーションマップ)を正確にアップデートしても、提案力が上がるわけでもなければ、受注までの商談期間が短縮されるわけでもない。
そんなツールになぜ、労力を割いてまで入力する必要があるのだろうか。その時間があれば、「もう1件顧客先に行きたい」と担当者が思うことも理解に難くない。
むしろマネジメントには、「フェーズ管理」ばかりをするのではなく「不信・不急・不要・不適」という顧客の4つの不(図1)を解消するための「商談の進め方」についてアドバイスして欲しいというのが現場の本音ではないだろうか。ここにCRMやSFAによるマネジメントのラストワンマイルとも言うべき大きな壁がある。
図1:顧客が抱く4つの「不」

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EY ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 ディレクター 千葉友範(チバトモノリ)
大学院在学中より産学官連携によるソフトウェアベンチャー立ち上げに参画後、会計系コンサルティングファーム、IoTベンチャー企業の役員のほか、AIやブロックチェーンベンチャー企業の顧問などを務め、2019年3月より現職。20年近いコンサルティング経験を通じて、エマージングテクノロジー(先進技術)の活用、UXやUIデザイ...
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