名刺情報はCRMやSFA、そしてMAにおいても重要な顧客基盤となるデータだ。しかし、手入力ではデータの重複や入力ミスが発生し、工数も無視できないものになる。しかも新型コロナの影響でオフラインでの名刺交換の機会は激減しており、従来のBtoB営業の常識はいま大きく変わろうとしている。この状況をどう打開しようとしているのか、コロナ禍の営業組織はどうあるべきなのか。「Salesforceユーザーがおすすめする名刺管理ツール No.1」※に輝いたSmartViscaを展開する株式会社サンブリッジの矢野賢太郎さんにお話をうかがった。※日本マーケティングリサーチ機構による2020年6月期ブランドのイメージ調査
Salesforceの最古参パートナーとして3つの分野に注力
――最初に矢野さんのお立場と、サンブリッジについて教えてください。
サンブリッジに今年新たに設置されたアライアンス室でCAO(チーフアライアンスオフィサー)をしています。主にプロダクトを軸としたパートナービジネスの推進を目的としています。
当社は1999年に創業しました。創業者であるアレン・マイナーは米Salesforceの会長兼創始者であるマーク・ベニオフ氏とオラクル時代に同僚で、クラウド時代が本格的に到来するという考えで一致していました。そして、ベニオフ氏はSalesforceを創立し、アレンは海外から先進性のあるSaaSカンパニーのサービスを日本に持ってくることを目的にサンブリッジを創立したのです。
こうした経緯から、Salesforceの導入・開発から連携・活用支援を行う「Salesforceソリューション」がサンブリッジのコアビジネスのひとつになっています。Salesforceは非常に多機能であるがゆえに「どこから手をつければいいかわからない」というユーザーも多いです。Salesforceが目指す方向性やビジョンを理解した上で、プロダクトカンパニーではなくシステムソリューションベンダーとしてSalesforceと同じ価値観のもと、さまざまな支援を行っています。
ただし、導入活用支援だけでは、なかなか利用が定着しないユーザーもいました。そこで、効果的にSalesforceを活用できるプロダクトが必要であると考え、当時Salesforceにはなかった、名刺情報を活用するサービスとして「SmartVisca」を開発しました。2014年にはSalesforceのアプリストアであるAppExchangeでの販売を開始しましたが、近年はSalesforceを導入していなくても利用できるサービスとして提供しています。これがふたつめのコアビジネスです。
3つめのコアビジネスが、マーケティングオートメーション(MA)です。MAツールとして代表的な「Pardot」とSalesforceを連携することで、マーケティング効果の可視化や営業チームとの連携強化が可能になります。サンブリッジでは、Pardotの導入支援をはじめ、MA基盤の構築からPDCAサイクルの確立までの5段階での活用支援も行っています。

――「SmartVisca」がAppExchangeで選ばれてきた理由には、どのような課題や背景があるのでしょうか。
営業組織では、データをいかに手間なく正確に入力するかが長く大きな課題になっていると感じます。そもそも、CRMやSFA、MAは、正確なデータを入力して初めて機能や能力を発揮するシステムです。しかし、現場では手動で入力することが多く、重複やミスがよく発生していました。Salesforceユーザーからも「データ入力の段階がうまく進まない」とご相談をいただくことも多かったのです。
新型コロナウイルス感染症対策でテレワークが加速し、名刺交換の機会も減っています。しかし、過去も含めて名刺情報をデータとしてきちんと整理して、どこでも誰でもビジネスに活用できる状態にしておかないと、テレワークも成り立たないと考えています。海外では名刺交換よりもLinkedInやFacebookといったSNSでのデータ交換が主流ですが、日本や韓国、中国などのアジア圏では名刺交換の文化がありますし、日本ではどの企業でも訪問時に名刺交換をしないことはないと思います。
名刺の情報を、精度の高いデータとしてSalesforceのような顧客管理システムで企業情報や人の情報として使えるようにすることは、非常に高いニーズがあります。SmartViscaはそのニーズに合致し、大企業から中小企業まで広く導入いただいたことがAppExchangeでの実績につながったと考えます。
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吉澤亨史(ヨシザワコウジ)
元自動車整備士。整備工場やガソリンスタンド所長などを経て、1996年にフリーランスライターとして独立。以後、雑誌やWebを中心に執筆活動を行う。パソコン、周辺機器、ソフトウェア、携帯電話、セキュリティ、エンタープライズ系など幅広い分野に対応。
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