トップ営業スタッフはお客様との距離の詰め方が上手い。なにげない話から自然に入り、あっという間に懐に飛び込んでしまう。しかも短時間で深い話を聞き込む。そういった人たちを目の当たりにすると「とても真似できない」と思うかもしれない。しかし、多くのトップ営業スタッフは生まれ持った才能だけでコミュニケーションをとっているわけではない。用意周到に準備をし、確実な方法でお客様との距離を詰めている。そんなトップ営業スタッフのコミュニケーションについて紹介させてほしい。
常にアンテナを立てるトップ営業のコミュニケーション力
ハウスメーカーの営業スタッフをしていたときのこと。トップ営業スタッフのUさんから「菊原担当のお客様の現場を見せて欲しい」と頼まれたことがあった。とくに断る理由もないので快諾した。
さっそく私の車で現場に向かうことに。車の中でいろいろな話をした。といってもただの雑談。今だったら間違いなくノウハウを聞き出しただろう。
Uさんは現場に向かう途中「あんなところに会計事務所があるんだ」だとか「おっ、あそこに新しいカフェができたんだね」などと言っていた。私はその道を数回通ったが、そのほとんどに気がつかなかった。Uさんに言われて初めて「そう言われてみれば、そんなのがあったんだ」という程度だった。そのときは「よく気がつく人だなぁ」程度しか思っていなかった。
そして現場につくとそこには施主であるお客様がいた。Uさんはお客様に近寄り名刺を出す。軽く挨拶すると「緑町の信号のファミレスの隣に新しいカフェができましたね」と話しかけていた。
そのカフェはお客様も知っているようで話が盛り上がっていた。そこから「仕事」「趣味」「プライベート」と話を広げる。あっという間にお客様との距離を縮めていた。何回も顔を会せている私より何倍も深い話をしていたのだ。私が嫉妬を覚えるほどに。

Uさんは現場に向かう最中にも「なにかネタはないか?」と周りを注意深く観察していた。アンテナを常に立てているためいろいろな発見がある。このように会う前からネタを仕入れて準備している。この時点で私とは違うのだ。
用意周到なためお客様との会話にも困らない。そして身近で共通な話題から入り、お客様とコミュニケーションをとる。その流れで深い部分まで聞きとってしまうのだ。
一方、苦戦している営業スタッフは周りが見えていない。無意識なため、周囲の変化に気がつかない。発見がないため話題も乏しい。お客様と話はするものの、浅いコミュニケーションしかとれず、関係も深まらない。こうしてどんどん差がついていくのだ。
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営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明(キクハラトモアキ)
群馬県生まれ。大学卒業後営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。その後訪問から”営業レター”に手法を変えたことで4年連続トップの営業マンに。2006年に独立、講演活動、研修を行っている。2010年より関東学園大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を伝えている。2025年までに83冊の本を出版。ベストセラー、海外で翻訳多数。
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