2022年1月25日と26日の2日間にわたって開催された「SalesZine Day 2022 Winter」。本稿では、日本中の営業組織のバイブルとなりつつある『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス 』(翔泳社)の著者、福田康隆氏が登壇した基調講演「Sustainable Sales Strategy ―自走する組織のつくりかた―」前半の様子をお届けする。
「ICP」の設定ですべての戦略は決まる
『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス 』(福田康隆/翔泳社、以下『THE MODEL』)の上梓から約3年。日本中の営業組織のバイブルとなりつつある本書だが、福田氏は一貫して「事業成長に必要なのは“分業”ではなく、“リソース配分”の視点」と伝えてきた。
正しいリソース配分を実現するためには、自分たちと顧客の向かう未来を正しく予測し、常に最適な布陣を組める自律的な組織へと成熟する必要がある。企業、そして社会の持続的な成長のために、「戦略」「人材」「オペレーション」をあらためて見直す次世代のリーダーに向け、セッションが行われた。
「ビジネスとはきれいなビジネスモデルやフレームワークだけで回るものではなく、現場は常に非常に泥臭いもので、日々現れる問題を解決することの繰り返しだと私は考えています。とはいえ、場当たり主義で勉強をせず、我流でやり続けるのも効率が悪いですから、勘所を知ることは重要でしょう。一定の理論は必要だという前提で、『持続的な成長を遂げる営業組織のつくりかた』のポイントをお伝えしていきます」(福田氏)

現在、外資系ベンダーの日本進出を支援するジャパン・クラウド・コンサルティングの代表を務める福田氏は、日本オラクル、セールスフォース・ドットコム(現セールスフォース・ジャパン)、マルケト(現アドビ)などソリューションやターゲットの異なる外資系ベンダーで経験を積んできた。その中で、営業組織づくりやビジネスを成功させる考え方には共通点があったという。それらを踏まえ、持続的な組織をつくるための重要なポイントが紹介された。
最初に挙げられたのは「ICP(Ideal Customer Profile=理想的な顧客プロファイル)の設定」。「すべての戦略が決まる」(福田氏)重要な指標であり、ICPを設定したうえで、マーケティングによる「メッセージング」「PR」「ファネルの設計」、インサイドセールスを含めた「デマンドジェネレーション」、セールスの「テリトリー設計」「コンペンセーション」「キャパシティ」「営業カルチャー」「採用」、カスタマーサクセスを含む「お客様支援のカバレッジ体制」を構築する必要がある。つまり、ICPを前提に組織全体を動かすための数値管理、マネジメント、リーダーシップ、カルチャーすべてが組み合わさって初めて、組織は持続的な成長を遂げられると福田氏は語る。
「これらを総称して、Go-to-Market(GTM)戦略と呼ぶこともあります。TechCrunchでは、『企業がどのようにターゲット顧客にリーチし、競争優位性を確保するか』『そこへアクセスするための製品開発、価格、流通チャネル、統合的に考えたビジネスプラン』と定義されています。私は自分なりの言葉で解釈し、『中長期で獲得すべき市場を定義し、どこからどのような順番で攻略していくか決めること』をGTM戦略と定義しています」(福田氏)
たとえば、年間売上100億円を目指す場合、「単価2,000万円×500社契約」「500万円×2,000社」「200万円×1万社」など、さまざまな道のりが考えられる。「どの道をゆくかによってとるべき戦略はまったく変わる」(福田氏)というわけだ。
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宮田華江(編集部)(ミヤタハナエ)
立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZine編集長就任。ビジネスメディアの統合を担い、2026年...
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