EC業界で働く素敵な女性にお話をうかがうコーナー。今回は、『宇宙兄弟』(講談社)の作者・小山宙哉や安野モヨコなど作家たちのマネージメントを行い、その世界観や可能性を、本という形以外にも広げるコルクの自社EC責任者である、黒川久里子さんです。出版社を経験しているわけでも、漫画好きだったわけでもない彼女が、今、ここにたどり着いた理由とは。女性のキャリア視点でも、これからのECのありかたとしても、とても興味深いお話がうかがえました。
作品の世界観をもっと広げるために コルクの自社EC

コルク 自社EC責任者 黒川久里子さん
担当している作家の書籍『おやおやこども。』(木下晋也)、 『昼間のパパは光ってる』(羽賀翔一)、
『止まりだしたら走らない』(品田遊)と一緒に。
――コルクさんは、漫画家や小説家のマネージメントをする会社ですが、自社ECではどんな商品を販売しているのですか?
コルクは、作家や作品の世界観を、お客様に届けることが使命だと考えています。世界観が届けられる媒体のひとつは「本」ですが、「作品の中の感情を呼び起こすもの」や、「作品を読んでいる時に一緒に持っていたいもの」という商品も世界観を届ける手段だと思っています。コルクはそういう商品を開発から担ってファンまで届けることをやっていきたいと考えています。
――具体的には、どんなものがありますか?
たとえば『宇宙兄弟』(講談社)という作品に、宇宙飛行士の女の子が妹からもらった「ピシッとするヘアピン」が登場するのですが、それを再現したヘアピンは人気がありましたね。
――それは、ほしいですねえ。
商品を「体験」として届けるための組織づくり
――黒川さんは自社ECにおいて、どのような役割を担っているのですか?
私は、作家の担当編集者としての仕事が7割、ECは3割くらいで働いているのですが、ECに関しては、実作業というよりも、全体の責任者をしています。これまでは、商品を作る担当、お問い合わせ担当など、個々に動いていたのですが、ECに関わるすべてを組織化しようということになり、私が責任者になりました。
――なぜ、ECを組織化しようと思われたのですか。
商品がお客様の手元に届くまでには、たくさんの段階がありますよね。作品のこういった背景をもとに生まれた商品だということを知って、それなら欲しいなと購入して、届くまで待って、やっと届いてダンボールを開けて……と。そのすべてのことを、単なる商品購入ではなくて、「体験」としてお客様に提供するには、組織化をする必要がありました。
たとえば、この『宇宙兄弟』のダンボールも2016年に作ったんですが。こういった特注の梱包材などは、作品担当がいくら作りたいと思っても、忙しくて手を付けることができません。でも、組織化したことで、他の人がコストを計算して、効果を予測して、ダンボール制作の担当を立て、実現に向けて動かしていくことができます。

――単に効率性をよくするためではなくて、ECを「体験」として届けるために、組織化しようということですね。
そうしたいと思っていますが、簡単ではないですよね。お金も無限に使えるわけではないですし、小さい会社なのでリソースも限られていますし。問題は山積みで、これから整理して、優先順位をつけていかないといけないと思っています。
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- この記事の著者
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馬居 優子(ウマイ ユウコ)
お茶の国・静岡生まれのフリーランスディレクター、インタビュアー、2児(♂)+1匹(♀)の母として活動中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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