コメ兵の藤原さんが、一見ECとは関係ないようにも見える人たちやECど真ん中の人たちとお話しすることで、EC、そして「オムニチャネルの次」を探そうという趣旨の対談シリーズ。第5回は、航空会社、消費財メーカー、自動車メーカーなどでブランディングやデジタルマーケティングなどを手掛け、現在はヤフーで広告事業におけるBtoBマーケティングに携わる井上大輔さんが登場です。
認知してほしいけど干渉されたくない そんな顧客との新しい関係性
井上(ヤフー) 僕は地元のバーによく飲みにいくのですが、そこにふらっとひとりで来店して、カーッと飲んで帰っていくような人をよく見るんですよ。たぶん、単に酒を飲みに来ているだけではないんです。店内の空間に1時間ほど、誰にも干渉されることなく、「ただ。自分がそこにいる」。インターネットには、そういう空間があまりない気がします。ただ、Twitterには一部そういう要素があるので、人気なのだと思いますが。
藤原(コメ兵) なるほど。
井上 そういう人って、誰かに自分の存在を認知してほしいけれど、干渉されたくはないんだと思うんです。公園のベンチに座ってひとりで酒を飲むだけだと、誰にも干渉はされないけれど、認知もされないじゃないですか。バーであればバーテンダーがいるので、少なくともその人には認知してもらえますよね。
藤原 確かにそうですね。バーなら、他の客もむやみに干渉してこないでしょうし。
井上 たとえばバーチャルな部屋があって、そこにぽんっと入ったとき、「自分がいる」ことはその場にいるふたりくらい認知してくれているけれど、ふたりとも干渉はしてこない。そんなインターネット空間のサービスを作ったら、もしかしてウケるかもしれないですよね。
「誰かと一緒にいる」「誰かが自分を認識している」みたいな状態が可視化できると、精神的な安心感を持つ人がいるんじゃないかと思います。今、孤独な人が多いじゃないですか。つながりたいという欲求はあるけれど、深くはつながりたくないのでないかな、と。たとえ自分が突然死しても、誰かひとりかふたりは気にかけてくれるくらいの感じ、というか。リアルな世界だと、バーや居酒屋、本屋も、普段、店員はあまり干渉してこないけれど、変な話、貧血で倒れるとか、いざとなったら助けてくれるじゃないですか。
そんな価値を実現したいですね、ECで。たとえば、ショッピングサイトに入ると、「サポートセンターの○○が、お客様が買うところをじっと見ていますよ」みたいな、……ちょっと気持ち悪いかもしれないけど(笑)。もしかしてそれで誰かの価値が充足できる可能性があるしれないですよね。
藤原 そういうEC、あってもいいかもしれませんね(笑)
井上 顧客との新しい関係性(笑)
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小林 由美(コバヤシ ユミ)
エンジニア、大手メディアの製造業専門サイトのシニアエディターを経て、2019年に株式会社プロノハーツに入社。現在は、広報、マーケティング、イベント企画、技術者コミュニティー運営など幅広く携わる。技術系ライターとしても活動。
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