EC運営を円滑に進めるためには、顧客の目には触れない裏側の部分まで整備を行うことは必須。とくに物流の環境整備は、顧客へ商品を届ける過程においては非常に重要度の高い項目であるにもかかわらず、なかなか手が回っていない方もいるのが現実ではないでしょうか。当連載では、フェリシモでECと物流に携わる市橋さんがECに特化した物流の勘どころを紹介。第4回は「検品・梱包」と「出荷」のポイントをお伝えします。
人間は間違いをする生き物 他者の確認でミスをすくい上げよう
前回の記事では、在庫引当を経て注文が入った際に行う「伝票発行」と「ピッキング」の勘どころをお伝えしました。今回は、次の図の緑色の部分「検品・梱包」と出荷のフローで押さえておきたいポイントを解説します。

当連載を読んでいる方の中には、「検品」という言葉が2回めの登場であることに気づいた方もいるのではないでしょうか。図にもあるように、物流現場では入荷時にも検品作業が行われています(おさらいしたい方は、連載の第1回をご覧ください)。
しかし、入荷時の検品作業は入荷予定の品物と数量が合致しているかを確認するもの。今回ご紹介する「検品・梱包」のフローで行われる「検品」は、顧客が注文した商品をピッキングした後、注文内容とピッキング商品に相違がないかを確認する作業となります。ピッキングのフローを整備し、間違いを防ぐことも大切ですが、人が作業する以上、どんなに気をつけていても間違いを完全になくすことは困難です。そのため、梱包前にきちんと検品するフローを整えることも欠かせません。
今回は、WMS未導入のケースを想定して解説します。WMSを導入すれば、誤ピッキングやピッキング点数不足時に端末からアラートを出すことができるため、比較的容易に間違いを減らすことが可能です。しかし、導入にはコストがかかりますので、ブランド立ち上げ当初や事業規模が小さい企業の場合は、WMSを使わずに注文リストをCSV出力し、目視でピッキングしているケースが多いと思います。そのため、「間違いは当然起こり得る」という認識で、検品作業のフローを確立することが大切です。
検品で間違いを見つけるコツは、
- ふたりで確認する
- 人間の発想と逆のフローで確認する
のふたつにあります。人間の特性として、ピッキングした人は「自分は正しい商品・点数をピッキングした」と思いがちです。実際に、9割がたは正しいのでしょう。しかし、日々現場で働く人にとっては何十件、何百件とある注文のうちたった1件の間違いでも、顧客からすれば「自分の注文が間違っていた」と、企業・ブランドの印象を阻害する大きな要因になってしまいます。そのため、先入観を取り除いてチェックし、間違いがなければ互いを労う、間違いを見つけた場合は「顧客に届ける前に気づくことができてよかった。ありがとう」と感謝し合える体制を構築しましょう。
メールマガジンに登録無料すると、続きをお読みいただけます
この記事は参考になりましたか?
- 5分でわかる EC物流の勘どころ連載記事一覧
-
- 事業者の行動が物流業界の明るい未来を作る 効率化できる仕組みを知り配送フローの見直しを図ろ...
- ミスを指摘する場ではなくすくい上げる場に 物流現場最後の砦、検品・梱包~出荷の勘どころとは
- キャパシティの把握と運用効率改善で売上アップへ 物流現場の伝票発行・ピッキングのポイントを...
- この記事の著者
-
ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)
立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
