EC事業者がおさえておきたい、13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。PAYの高野さんに、決済について聞きました。 ※本記事は、2021年6月25日刊行の『季刊ECzine vol.17』に掲載したものです。
信用履歴を世帯単位で 教育にも役立つApple Card Family
今回高野さんが最初に紹介するのは、Appleが2021年4月20日開催のイベント内で発表した「Apple Card Family」について。同サービスは2019年に提供開始した「Apple Card」を拡張したものとなっており、パートナーや配偶者と共同でカード所有が可能となる。
「Apple Card Familyの開始により、13歳以上であればApple Cardを利用できるようになりました。家族全体で利用限度額の共有と統合ができますが、もちろん未成年に対しては限度額や使いかたに関する制御が可能です」
同サービスは、2021年5月よりアメリカでサービスを開始しているが、提供に至るまでの過程には、Ruby on Railsを開発したデンマークの技術者David Heinemeier Hansson氏の提言が関係しているのではないかと言われている。同氏は、夫婦でApple Cardを申請した際に自身よりもクレジットスコアの高い妻の利用限度額が20分の1であったことに対し、「ジェンダーに基づく差別である」との旨をツイート。Appleと提携先のゴールドマン・サックスは2021年3月に報告書を提出し疑惑を払拭したが、「この提言はApple Card Familyの開発に何らかの影響を与えているのではないか」と高野さんは続ける。
「1人ひとりの信用履歴を世帯単位で管理できるのは興味深い動きであり、キャッシュレス決済が一般化していく中で子どもに対して金銭管理や信用についての教育を行う上でも、よい取り組みと言えます。限度額の範囲でやりくりをする体験がキャッシュレスでもできるようになれば、文化としてキャッシュレス決済が根づきやすくもなります。アメリカからどの程度のスピード感で世界各国へ広がるかは未知数ですが、動向に要注目です」
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ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)
立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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