本記事では、デマジェン総研とIDEATECHが2026年に実施した最新のBtoB購買プロセス調査を公開。判明したのは、多くの企業が購買検討に生成AIを活用しているという事実です。営業の知らない「ダークソーシャル」で意思決定が進む今、選ばれるための条件とは何か。外資系企業の戦略を知り尽くした筆者が、全3回でそのインサイトを解き明かします。
気づかぬうちに失注していませんか?
多くの企業が、アポ獲得やリード獲得に必死です。しかし、そもそも勝負は始まる前に終わっていませんか?
今回のBtoB購買プロセス調査では、50.5%もの企業がベンダーに声をかける時点で、すでに候補企業のリストアップを完了させているという事実が判明しました。さらに、72%の企業はその時点で、候補ベンダーを3社以内に絞り込んでいます。その3社に入らない限り、あなたの会社は気づかないうちに失注しているのです。アポやリードの獲得も大事ですが、それ以前の問題なのですよ。
私は、マイクロソフト、シスコシステムズなどのいわゆる外資系企業で、プロダクトマーケティング、フィールドマーケティング、セールスオペレーション、PR、インサイドセールスなどのさまざまな業務を経験してきました。
この経験を活かすため3年ほど前に独立し、事業戦略、製品戦略、Go-To-Marketing戦略、RevOpsの構築などの支援をしています。戦略、大好きです。屋号は、ベタベタな名称のデマジェン総研。独立後もAI insideやRevCommといった日本のベンチャー企業で並行して働いていました。OSI 7階層すべての商材を扱い、スタートアップからエンタープライズ企業までの就労経験を持っています。
この「戦略」の現場で私が長年バイブルとしてきたのが、『チャレンジャー・セールス・モデル』(海と月社)の続編とも言える『隠れたキーマンを探せ』(実業之日本社/英名:THE CHALLENGER CUSTOMER)です。
『隠れたキーマンを探せ』で提供されたインサイト
さて、この書籍はなぜBtoB営業のバイブルとされ、私は長年活用してきたのか。それは、当時の大手調査会社Corporate Executive Board(CEB)社が、BtoB顧客の購買プロセスにおいて非常に鋭いインサイトを提供していたからです。
たとえば、顧客の中では、購買進捗が37%(100%を発注と考えたとき)の時点で、課題解決を行うためのソリューションが特定されていたり、購買進捗が57%になって初めてベンダーに声をかけたりするという状況が説明されていました。
購買に関わるチームの平均人数は5.4名。人数が増えるほど、購買可能性が激減していきます。調整の難易度が上がり、社内の反対意見に飲み込まれてしまうからです。顧客側に意思決定のチャレンジがあるため、英名では『THE CHALLENGER CUSTOMER』というタイトルなのです。
『隠れたキーマンを探せ』は今読んでも、納得感のある内容です。しかし、使われているデータは今から14年前の2012年に実施された調査のもの。CEB社が、Gartner社に買収された影響で、この調査の続編を見ることができなくなったのです。
そこで、生成AIが普及した現代、日本の購買プロセスはどうなっているのだろうという疑問や興味から、デマジェン総研と調査コンテンツ開発に強いIDEATECH社が共同で調査を実施しました。
今回の連載では3回にわたり、その調査結果とそこから見えてくるインサイトについて解説したいと思います。とても興味深い結果です。
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北川裕康(キタガワ ヒロヤス)
38年以上にわたりB2B ITビジネスに従事。マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workdayなどのグローバル企業、およびAI inside、RevCommといった国内スタートアップにおいて、マーケティング、戦略&オペレーション等の執行役員を歴任。2023年に独立し、現在はGTM戦略、マ...
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