営業現場では厳しく「結果」を問われるものの、その結果を生み出した「プロセス」を振り返り、将来に向けた有効な施策を検討する「レビュー」は疎かにされがちです。営業会議で形式的にはレビューを行っていても、うまく機能している営業組織は限られているのではないでしょうか。連載第3回の本稿では、営業の業績やパフォーマンスの向上に効果的なレビューを行うための基本的なフレームワークを提示し、具体的に解説していきます。
皆さんの営業会議は機能していますか?
私は多くの営業組織を見てきましたが、「レビュー」の重要性は一応認識されているものの、実際にうまく機能している組織にお目にかかることはあまりありませんでした。
たとえば、営業組織の月ごとの会議では下記のようなところが定番のアジェンダになることが多いはずです。
- 月度数字の結果と次月度の見込みの確認
- 案件の進捗確認
- 部門/個人の課題の検討
- 事例の共有
ここで、典型的な会議風景をのぞいてみましょう。
- まず営業マネジャーが部門の業績や方針の進捗状況を伝える。
- そして現状の課題ーーそれは多くの場合“マネジャー自身の懸念”でもあるーーを伝える。
- その他、新規獲得などの好事例の共有、翌月の強化事項の確認などを行い、メンバーたちに質問を促す。しかし、質問はほとんど出ない。
- 次に、個々の営業担当者のレビューに移る。各々業績結果、個別案件の状況、次月度の対策などを述べる。
- 営業マネジャーからは見込み数字や成約の確率、他の有望な案件などの質問が飛ぶ。
- 営業マネジャーとしては、なんとか部門の業績達成への確証がほしいので、思わしくない状況に対してはその理由を問い、懸命にアドバイスを送る。
- 営業担当者は、ひたすら言い訳に終始してその場を乗り切ろうとする。
程度の差こそあれ、こういった営業会議の構図は意外と多いのではないでしょうか。
営業マネジャーとしては、部門の業績を確保するために正確に現状を把握したい、どのような課題があるのかを見極めたい。一方、個々の営業担当者は、“突っ込まれたくない”という自己防衛の意識が先にきて、表面的な対応で流そうとする。このように双方の思いがかみ合わず、結果として営業組織全体としての効果的なレビューとはならないのです。
こうした実態を踏まえた上で、実のあるレビューによって部門のパフォーマンス向上につなげていくための基本ポイントを整理してみましょう。
お客様に焦点を当てて「プロセス」を検証するのが出発点
まず、皆さんのマネジメントは、どれほどお客様の課題を解決することに焦点が当っているでしょうか。自社都合である売上や見込み客数などに偏っていることはありませんか。一方、営業担当者も自分の数字、つまり「結果」がどうかということに焦点が当たってしまう傾向はないでしょうか。

確かにめざす「結果」は売上などの数字で表わされます。しかしそれは、お客様がもたらしてくれるものであり、あくまでも自社の活動の価値を認めてもらえた証としての指標です。「結果」ではなく、その「プロセス」で自分たちの活動がどうだったのか、例えばお客様との信頼関係はできているか、お客様の重要な課題解決につながる提案ができているか、といった側面からマネジャーとメンバーが同じ方向を向いて検討していくことが肝要です。まずはこうした基本スタンスをしっかりと根付かせることが、効果的なレビューの出発点だといえます。
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株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 杉本良一(スギモトリョウイチ)
株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 エグゼクティブコンサルタント パフォーマンス・イノベーション室長
富士ゼロックス株式会社教育事業部(富士ゼロックス総合教育研究所前身)入社後、組織開発を中心とした営業を担当。組織開発を軸にしたアプローチによって活動を展開し、現在に至る。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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