顧客変化に合わせ、自然と変化・進化し続けているリクルート社。もともとまったく異なる志から異業種でキャリアをスタートされたおふたりが、リクルートに入社し、住まいカンパニーで営業職を経験したなかできっかけを得て立ち上げたのが、不動産領域のクラウドソーシングサービス「エリクラ」。営業職で得たさまざまな気づきや、これからのサービスの展望などを伺いました。
異業種から営業へ 「法人に憑依した」
――おふたりとも、新卒でリクルートに入社されたわけではなかったのですね。
今里 僕は、中部日本放送に新卒で入社しました。マスコミ志望で、営業職希望でもなかったです。ローカル局の仕事は範囲がやや狭く、自分が人生をかけてやりたいことは「もっと多くの人に価値を届ける仕事」だと思い、新規事業の立ち上げなども可能なリクルートへの転職を考えるようになりました。メディア・企画職を志望していたのですが、「いったんお金の流れを勉強してみたら?」と当時の上司に言われ、住まいカンパニーでセールス職に就きました。
中村 大手ITベンダーのSEがキャリアのスタートです。大学時代は経営工学を専攻していたこともありまして、最初はコンサル業界への就職を考えていました。ただなんとなく「コンサルティングはアドバイスして終わりなのでは」と思っていて、仕組みごと提供したいと思い、SEになることにしました。実際にやってみると、わりと大手にいたのでプロジェクトが大きくなればなるほど、いかに言われたことを納期内でやるかが重要な世界でした。もう少し上流でビジネスに関わるために転職を考えるようになりました。そんなとき、リクルートの営業職なら上流から仕組みの提案までできると聞く機会があり、入社を決めたんです。

――リクルートで実現できる範囲の大きさに期待されて入社されたのですね。住まいカンパニーでの初めての営業職体験はいかがでしたか?
今里 当時周りはルート営業がほとんどだったのですが、僕は新規営業を担当しました。まだSUMMOに出稿していない大きな不動産会社がいくつかあって。苦労した点は、管理会社様への営業です。管理会社は自社で接客をしていないケースも多く、別の会社にアウトソーシングしています。そこへ「広告を直接出稿されませんか?」と提案する営業なので、管理会社さんからしても新しいことにチャレンジするということになるわけです。なかなか理解していただけずに、提案中に寝られてしまったこともあります(笑)。僕は一生懸命に話しているのですが、「集客はほかに任せている」という前提があるので門前払いを食らうケースもけっこうありました。
あるとき僕はマインドチェンジしたんですね。最初はSUUMOを使ってもらおうと、SUUMOの説明ばかりしていました。しかし「なぜ興味を持っていないのか」をヒアリングしようと考えるようになったんです。「なぜアウトソーシングしているのか」「アウトソーシングのお金はどう動いているのか」、深く聞いていくことでもっと根本的に悩んでいることを知ろうと努力するようになりました。そうやって相手に憑依していくと「そういう事情ならSUUMO使わないよな」と思ったり、「そういう事情だとしてもSUUMOは使ったほうがいいですよ」と提案できたり、うまくできるようになってきて受注にもつながり始めました。モノを売るというわけでなく、相手を理解して課題を特定したうえで適切に売っていくことができるようになりました。

――なぜマインドチェンジされたんでしょう。
今里 当時のマネージャーの影響ですね。「法人に憑依できる人」とよく言っているんですけど。クライアントはどういう会社で、どういうビジネス構造で、担当者はどういうことがミッションで、なにを部下に指示していて……、ということを考えたうえでなぜ相手が興味を持ってくれないか考えてみようねとアドバイスをもらえて。そこから気持ちもガラッと変わりましたね。変化前は相手が興味を持っていようがいなかろうがとりあえず持っていって説明する。これが営業なんだと思っていました。変化以降は「売る!」というよりはクライアントの担当者と状況を打開できる方法を一緒に考えるという姿勢になりました。健全でいい仕事だと思うことができ、楽しくやることができるようになりましたね。
ただ、目の前の顧客にいまSUUMOは必要ないと感じたときに、提案できることがないのはもどかしかったです。コンサル業であれば、商品がなくても解決できると思いますが、やはり事業会社の営業としては商品という打ち手がメインですので「打ち手が足りない」と思うようにもなりました。
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宮田華江(編集部)(ミヤタハナエ)
立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZine編集長就任。ビジネスメディアの統合を担い、2026年...
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