人流の減少や時短要請など、コロナ禍の影響を大きく受けているのが飲食業界だ。収益は大きく減少し、閉店した店舗も少なくない。実はコロナ禍以前から、飲食業界の苦しい状況は始まっていたという。リクルート・ホットペッパーグルメ事業の営業マネージャー・赤嶺征志さんは、「飲食業界のDX」を目指し、ホットペッパーの持つビッグデータを活用してさまざま提案を企業に行ってきた。その取り組みが評価され「TOPGUN」表彰も受けた赤嶺さんに、飲食業界DX化に向けた取り組みの軌跡、「顧客接点のプロ」としての矜持を聞いた。
8年以上にわたりホットペッパーの営業一筋
――リクルートに入社されてからの赤嶺さんのキャリアについて教えてください。
2013年の4月に新卒で入社し、それから8年以上、ホットペッパーの営業一筋です。ホットペッパーは、ビューティーとグルメふたつの事業に分かれていますが、私はグルメ担当で飲食店を対象に、クライアントと一緒に媒体で集客を支援するビジネスに携わってきました。
クライアントの属性も、個店と法人に分かれているのですが、個店の飛び込み営業からスタートして、法人担当に移り6年めになります。個店と法人は基本的に大きな違いはありませんが、法人は組織の大きさによって意思決定のレベルが変わってきますから、部署を分けてアプローチを変えていました。

――ホットペッパーグルメの中でもトップ営業だったとうかがっています。挙げてきた成果についてぜひうかがえますか。
ホットペッパーの営業のミッションは、より多くのクライアントにホットペッパーの媒体をより長く、たくさん使っていただくことです。クライアントにとっての対価は集客効果ですから、どういう打ち出し方をすればより多くのユーザー(飲食店のお客様)に予約してもらえるかというPDCAをクライアントと一緒に回していきます。私は社内の目標などは達成できていましたし、集客効果も出ていて、担当しているクライアントの満足度も高かったと思います。
しかし2014年のある日、非常に良くしていただいていたクライアントの店舗が閉業してしまいました。ホットペッパーグルメ経由の集客は十分にできていて、ご満足いただいていたため、理由がわかりませんでした。実はウェブでの集客は良かったものの、リピーターの醸成や客単価の改善など、経営の本質的な問題解決はできていなかったのです。クライアントに泣きながら謝られてしまい、絶望的な気分になりました。しばらく、「集客支援だけに閉じていてはダメなのではないか」ともやもやした日々が続きました。
あらためて、集客課題の解決に取り組みつつも、もっと上流の経営課題に一緒に向き合えるような提案をするべきだろうと考えの整理がつき、それを事業として取り組みたいと上司に相談したんです。すると、「お客様のためになる事例をつくり、新たな事業としてソリューションを生み出していこう」と背中を押してもらうことができました。そして媒体による集客課題の解決を大きくはみ出した、顧客の経営課題の解決に取り組み、その成果によって2019年にリクルート社内の新規事業コンテスト「TOPGUN」で賞を獲得しました。
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吉澤亨史(ヨシザワコウジ)
元自動車整備士。整備工場やガソリンスタンド所長などを経て、1996年にフリーランスライターとして独立。以後、雑誌やWebを中心に執筆活動を行う。パソコン、周辺機器、ソフトウェア、携帯電話、セキュリティ、エンタープライズ系など幅広い分野に対応。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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