7ヵ国での累計500回以上の商談・プレゼンテーション経験を活かし、BtoB営業組織に向けて企業研修を提供する営業コンサルタントの城野えんさんが、昨今のIT企業を取り巻く課題を考察・解明する本連載。連載の最終回である本稿では、城野さんが出会った「オンライン商談力強化のために対策を講じて、実際に成果を上げた営業組織」について、各社の実際の取り組みとその共通点が語られます。
リモートワーク環境で成果を上げた営業組織の3事例
当社では、これまで多数のIT企業向けに「プレゼン力」や「営業力」強化の研修・コンサルティングを実施してきました。今回は、その中から「リモート営業力・オンライン商談力強化のために対策を講じて成果を上げた営業組織」について、各社の実際の取り組みや、彼らの共通点などをご紹介します。
1. 代理店向けオンライン勉強会の在り方の見直し、受注件数を20倍にした事例
とあるソフトウェアベンダーA社の営業部門でのお話です。そこは、限られた人数で全国の代理店を網羅する営業活動の体制をとっていました。以前は、毎月のように担当エリアに出張をし、現地で商談や製品勉強会を開催するのがお決まりでしたが、コロナ禍の影響でそれらすべてがオンライン化を強いられる事態になったのです。
A社のメンバーたちが抱いた課題感は「いかにしてオンライン勉強会を通じて販売店の『売る』モチベーションを高められるか」。オンラインだと、「話の途中で飽きられてしまい、なかなか集中して聞いてもらえない」「対面時のように売上に直結しない」と、悩みを漏らしていました。そこで私が提案したのが「参加者が『飽きてしまう』前提で、勉強会のシナリオを検討し直す」ことです。「飽きてしまわないかを心配する」のではなく、「最初から飽きさせない」ためのコツをお伝えしました。
具体的には、まず最初に見づらいパワーポイントスライドを修正しました。派手な色を使いすぎていたり、1スライド内に文字を詰め込みすぎたりしている「見づらい」資料は、オンライン商談時の集中力を阻害してしまうためです。また、これまで長々と説明していた製品機能の話をカットすることもアドバイスしました。話をカットする分、30分の勉強会であれば、開始10分以内にZoomの投票・チャット機能を活用して参加者側からのアクションを促すことをお勧めしました。

ほかにも、販売店スタッフが勉強会直後に使えるような営業トークを徹底的に見直すなどの施策を重ねた結果、1ヵ月後には「担当支店で、受注件数が4件から83件に激増した」という報告を受けました。
ここまでの大きな成果が出たのは、言うまでもなく販売代理店の営業担当者の努力がいちばんの要因です。他方で、「御社の勉強会は他社とひと味違う」と販売代理店から勉強会の質を評価するコメントをいただいた、とA社から報告をいただき、従来の勉強会をオンライン特化型のスタイルに転換した点も大きな成功につながったのではないかと思います。
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株式会社JOENパートナーズ代表取締役/営業コンサルタント 城野えん(ジョウノエン)
慶應義塾大学商学部卒業後、グローバルIT企業に営業職として入社。新卒2年目に新製品受件数1位を達成。社内最年少でシンガポール駐在員となり、東南アジア地域でのパートナー企業開拓や新規顧客開拓を担当。国内外で、ニーズが顕在化していない顧客からの大型受注を次々と獲得した自身の提案営業のノウハウを、誰でも再現できる「仮説提...
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