営業成果と育成を紐づけて考える「セールス・イネーブルメント」の考え方が広く認知されつつある一方、言葉が独り歩きし、解釈が組織ごとに多様化している現状があります。そこで、本連載では100社以上の営業支援・仕組み化を牽引し、現在はベルフェイスでアライアンス本部長として活躍する清水貴裕さんに「真に営業力を高めるセールス・イネーブルメント」について解説いただきます。第1回のテーマは「セールス・イネーブルメントの正しい考え方」です。
昨今、「セールス・イネーブルメント」というワードを耳にする機会が格段と増えました。セールス・イネーブルメントに特化した本も出版されたり、専任部門が設置されたりするなど、日を追うごとに注目度が高まっています。他方で、名前だけが独り歩きし、本来の意味とは異なる解釈をするビジネスパーソンも増え始めているように感じます。
私自身、これまでさまざまな企業の営業の仕組み化を支援してきた経験から、真に営業力を高めるための正しいセールス・イネーブルメントの考え方を広める使命感に駆られ、本稿の執筆に至っています。ゆえに、本連載では、私が考える「本質的なセールス・イネーブルメント」を1つひとつ紐解いていければと思います。

前提として、セールス・イネーブルメントは進化し続ける領域であり、組織によって最適解も異なります。本稿はあくまでひとつの考え方としてご参照ください。
不足事項の因数分解から始めよう
本稿では、セールス・イネーブルメントを「売れるための業務知識やオペレーションフロー、商品知識を営業担当に習得してもらうための一連の支援」と定義します。とはいえ、イネーブルメントの担当者が取り組むべきことは、それだけではありません。
セールス・イネーブルメントを考えていくうえで重要なポイントは、現場課題をベースに「業務やアクション」を定めるのではなく、事業の目標やビジョン、売上目標達成のために何が不足しているかを因数分解し、逆算することです。
まず、「売上」という要素を因数分解すると次のような方程式が成立するでしょう。
売上=営業人数×売上単価×受注件数
会社によっては「効率性」にまつわる要素が追加されるなど、より複雑な方程式で示されるケースもありますが、本稿ではあえてもっともシンプルな方程式を用いて考察していきます。
数式に示したように、売上を高めるうえでは「営業人数」「売上単価」「受注件数」をいかにして高めていくか、という視点が非常に重要です。今回は、とくにセールスイネーブルメントを活用した改善に取り組みやすい「営業人数」と「売上単価」をそれぞれ掘り下げていきます。
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ベルフェイス株式会社 アライアンス本部長 清水貴裕(シミズタカヒロ)
ベンチャー企業から東証一部上場グループと横断して、0→1の立ち上げを中心に新規事業責任者を歴任。100社以上の営業支援や仕組み化に携わり、スピンアウトも経験。ベンチャー企業の取締役も歴任し、3年で売上5倍、社員数100名規模にまで成長させた。2019年に株式会社ベルフェイスに入社後は、営業コンサルティング経験を活か...
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