本連載は、日々顧客と向き合い、目標達成にもまい進する多忙な営業組織の皆さんが抱いている疑問を背景から紐解き、新たな「問い」を立てるきっかけづくりを目指していきます。解説は、営業をテーマにした「実務教育研究の学位取得」を国内で初めて予定しており、「営業の本質」を伝え続ける無料のセールストレーニング「#旬トレ」を150社、1,300名のセールスパーソンに提供しているWell Direction CEOの向井俊介さん。第10回は「数を担保しているのに成果が出ない」と悩むSaaS営業の方のお悩みに回答いただきました(※本連載では、読者の皆様の「聞きたいコト」を募集します! 詳細は記事最終ページをご覧ください)。
●SaaS業界の方からの質問
成果が出ないときのマインドや具体的にどこからテコ入れをいれていいかを教えていただきたいです。 現在、立ち上がりで素直に教えてもらったことを実践しているのですが、なかなか成果が出なくて、悩んでいます。ある程度の数は担保しているので、やみくもに訪問数や電話を増やしても成果が出ないとは思うのですが、その場合どの部分から改善していけばいいでしょうか?
「売るための営業活動」をやめてみる
端的に回答すると、まずは営業活動の目的から変えてみたらどうでしょうか? というのも、ある程度数を担保しているにも関わらず、成果が出ないということは当然どこかが間違っている可能性が高いです。
私自身多くの営業担当者と接してきましたが、「売るために営業活動をしている人」がとても多いと感じています。誤解のないように言っておくと、営業は売らなければならないですし、最終的には数字を達成する必要があります。これは役割であり義務です。ただその「売りたいという下心」を出して良い局面は、商売の話になってからなんですよ。
多くの営業は、顧客と最初に接点を持った瞬間から「商売の話ができる」と勘違いしてしまっているんですね。この姿勢をあらためることがまずは大事かなと思います。
つまり、売ることを目的にした訪問や架電を増やしたとして、たまたま「そういう話を探していたんですよ」というお客様がいらっしゃればとんとん拍子に話は進みますが、皆さんご存じのとおり、顕在層と出会えること自体が稀です。初回面談は、まずはお客様の困りごとは何か、どうしたらその困りごとが解決するのか、という姿勢で行ってみましょう。

とくにBtoBのビジネスでは個人的な関心でモノを買う人はほとんどいません。会社の予算を使うために意思決定や稟議を行う労力をかける裏には、必ずなし得たい目的があるんです。
目的は大きく2種類。ひとつは「現状の負を解消するための購買」、もうひとつは継続的もしくは「非連続的な大きな成長のための投資」ですね。顧客企業にとって購買が手段である以上、営業側にとっても売ることは手段でなければならない。つまり、目的はお客様と同じものではなくてはならないわけです。そうやって考えていくと、お客様の視点を得ることができるでしょう。
一方で質問者さんが意識している「数を担保する」ことも同時に必要で、とても素晴らしい心がけです。お客様と同じ目的に向かえる営業になるためには、ある程度経験を積むことが必要です。同僚や先輩と比べて、突出した数をこなしているのなら、ぜひ胸を張ってほしいですね。
とはいえ難しいのが、お客様の困りごとを見つけ出すことだと思います。そこで、営業担当者とマネージャー、それそれが「お客様」とどう向き合うべきかについて解説していきます。
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宮田華江(編集部)(ミヤタハナエ)
立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZine編集長就任。ビジネスメディアの統合を担い、2026年...
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