毎年4月に新人営業スタッフが入社してくる企業では研修期間が終わり、そろそろ配属の時期になるだろう。新人営業スタッフを即戦力に育てられるかどうかは非常に重要だ。一方で、「早く一人前にしたいからひたすら厳しく指導しよう」というのも難しい時代になった。自分で契約は取れるが新人や部下を育成できないという人は意外に多い。“伝説のトップ営業スタッフがマネージャーになったとたん輝きを失った”という話もよく聞く。そんな中、新人営業スタッフをうまく育て次々に即戦力にしているマネージャーもいる。今回は新人の効果的な育成方法について紹介させて欲しい。
まず「お客様と接するのは楽しい」と思ってもらう
先日、Aさんとお話をしたときのこと。Aさんはプレイングマネージャー。自分で契約を取りながら部下を育てるといったハードワークをしている。新人営業スタッフについてこんな話をしていた。
Aさん「昔は新人営業スタッフには“とにかく人に会ってこい”と指導していました」
私「そういうのがありましたね」
Aさん「今はそんな指導をしたらパワハラになる可能性もありますし、そもそもせっかく採用した人材が辞めたら大変ですからね」
これまでの新人営業スタッフの教育は“当たって砕けろ”もしくは“とにかく数多くやれ”という指導が多かった。一昔前まで新人教育のひとつとして行われていたのが、飛び込み訪問だ。

飛び込み訪問はベストな営業スタイルとは言えないが、新人営業スタッフにとっては良い経験になった。しかし、今の時代に飛び込み営業は非常に厳しい。まずお客様が玄関を開けてくれない。法人営業でも99%は受付で門前払いになる。プライバシーやセキュリティ感覚が高まった現代では極めて非効率な方法だ。
そこでほとんどのマネージャーは“新規客へのテレアポ”をさせることになる。そのほとんど見込みがないお客様リスト、いわゆる“長期休眠客”ばかり。ここで経験を積ませている。
私もやったことがあるが、これはかなり辛い。5、6件、断りが続くと「次もどうせダメだろう」といったように考えるようになる。1日中やって見込み客をひとりも見つけられない。そんなこともよくあった。そのうちに会社に行くのも嫌になったものだ。
このAさんは新人にテレアポをさせていない。理由を聞くと「テレアポはほとんど断られるし、そんなことをさせれば営業が嫌いになってしまうから」と言っていた。1日テレアポで断られ続ければ「いったい何をしているのだろう……」と目的意識を失う。続けさせても良い方向には向かわない。
そうではなく「新人営業スタッフには契約客の打ち合わせの手伝いをしてもらっている」という。これなら冷たくされることはない。しっかり話ができるのでお客様慣れできる。お客様から喜んでもらえれば、営業に前向きになるものだ。
今の時代、新人営業スタッフを育てるのは難しい。焦らず「お客様と接するのが楽しい」と思う経験を積ませてあげるほうが順調に成長するもの。
また、もうひとつ良い育成方法をお聞きした。
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営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明(キクハラトモアキ)
群馬県生まれ。大学卒業後営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。その後訪問から”営業レター”に手法を変えたことで4年連続トップの営業マンに。2006年に独立、講演活動、研修を行っている。2010年より関東学園大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を伝えている。2025年までに83冊の本を出版。ベストセラー、海外で翻訳多数。
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