従来のビジネスモデルから脱却を図る新規事業
日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)が新規事業を立ち上げた。コンタクトセンター向けの支援サービス「NSRelato(エヌエスリレト)」だ。ともするとコストセンターとして捉えられがちなコンタクトセンターを、エンドユーザーの声を吸い上げてビジネスを磨き込み、売上を伸ばすための重要な接点にする総合的なサービスだという。
具体的には、NSSOLが開発した応対チケット管理システム(※)を中心にSaaSを提供する。加えて、プロフィットセンターに転身するための戦略策定を支えるコンサルティングや、各社に最適なシステムのインテグレーション、生産性向上のためのオペレーション改善提案、人材不足を解消するBPO事業者の紹介などを、トータルソリューションとして展開していく。
※顧客からの問い合わせや要望、社内の作業依頼などをチケットとして発行し、担当者、応対ステータス、期限、対応履歴を一元管理するためのシステム
同事業の責任者を務める國分氏は、新規事業に踏み出した背景を次のように語る。
「NSSOLは日本製鉄を母体とするSIerであり、ミッションクリティカルなシステムの構築・維持運用で実績を積んできました。しかし、お客様が直面する課題の複雑化や地政学的リスクに加え、生成AIなどの技術革新が急速に進む中、従来の受託開発だけではお客様に貢献できる範囲が限定されてしまいます。そこで、サービスの提供や顧客接点の構築を含めた“価値の届け方”にまで踏み込むべく、NSRelatoを立ち上げました」(國分氏)
大手SIerがなぜパートナービジネスを?
NSRelatoの特徴は、他社とのパートナーシップを前提としている点にある。たとえば、総合人材サービスを提供するネオキャリアと連携し、NSRelatoの顧客企業がコンタクトセンター業務をアウトソースできるようにした。NSSOLとネオキャリアの協業のきっかけは、2025年9月にパートナーセールス研究会が開催したイベントだったという。
ディスカッションのモデレーターを務める葛西氏は「直販で市場を開拓できる大手SIerのNSSOLが、なぜパートナービジネスを選択したのか?」と質問。これについて國分氏は、次のように説明する。
「コンタクトセンターを稼働させるためには、システムだけでなく実際のオペレーターやBPO事業者、さらには周辺の様々なIT基盤が複雑に絡み合います。当社はシステム構築の技術力には自信があるものの、得意領域ではないところまで自社で賄おうとすると、お客様に対して高い価値を出すことが難しくなってしまいます。各領域で優れた強みを持つパートナーと柔軟に連携するほうが、価値をスピーディーに提供できると考えました」(國分氏)
