キタムラのオムニチャネル化成功の立役者であり、その結果、オムニチャネルならこの人に聞け! という存在になった逸見さん。現在は独立し、オムニチャネルコンサルタントとして活躍している。なぜ逸見さんの言葉は、経営陣にも、ECや実店舗で現場に立つ人にも響くのか。キャリアを遡って話を聞き、その魅力の背景に迫った。※本記事は、2018年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.04』に掲載したものです。
オムニチャネルの原点は書店 棚をイメージしてデジタル化する
逸見さんは1994年に新卒で三省堂書店に入社。その後、ソフトバンク、アマゾンジャパン、イオンの3社を経て、キタムラに入社している。キタムラを退社後、ローソンを経て独立し現在に至る。定年まで1社で、という考えの人も少なくない日本においては、転職回数が多いほうだ。しかし、キタムラでオムニチャネルを推進する役目を担うとわかっている目で見れば、それ以前の会社での経験が、すべて重要な意味をもっているのがわかる。
今回の写真撮影は、逸見さんの最初の勤務先である、三省堂書店 神保町本店で行った。「独立していちばんうれしいのは、本を好きなだけ買えること」と言うほど、本が好きな逸見さん。三省堂書店に入社したのも、それが理由のひとつだが、現実の仕事では本を読んでいるばかりでは回らない。
「学生時代に書店でアルバイトをしていた経験もあり、新卒で入社してすぐに即戦力として働けていたと思います。書店の仕事って重労働なんですよ。1日に何十箱も新刊が来て、古いビルだとその重みでエレベーターが一度沈んだりするくらい。多くの人がその現実を知らずに、『本が好きだから、本屋さんで働きたい』と夢見て仕事を選んでいるんですよね」
かつて担当していたという、教育関連書の書棚を眺めながら、「この先生は、新刊が出たらかならず平積みしないといけないんですよ」と教えてくれた。
「企業のEC担当者で、店の棚や倉庫を見ずに、パソコンとExcelだけで仕事をしている人は、どんなイメージで売っているんだろうと思いますね。私はこの棚がデジタルに置き換わるイメージで仕事をしています。それはオムニチャネルコンサルタントになってからも変わらず、お店、バックヤード、物の流れを見せてもらってイメージしてから、デジタルの世界に入らせてもらっています」
神保町本店で教育書などを担当した後、成田空港店や相模大野店など、別の店舗へと異動。最後に勤務した八王子店は、物理的にも大きな店舗だった。そこで膨大な在庫や注文の管理をするのに、マイコン時代から遊んでいたというコンピューターの存在を思い出す。
「そこから、ネットで本屋ができないかなと思いついたのですが、当時はまだ、会社としてその方向には舵を切らないということでした。そんなとき新聞で『ソフトバンクがインターネット書店を始めます』という募集記事を見つけたんです」
そうして逸見さんが転職し、立ち上げに携わることになるのがイーショッピングブックス。現在のセブンネットショッピングである。
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- この記事の著者
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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)
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