2015年にAmazonからリリースされた「Amazon Pay」は、ユーザーのショッピングを円滑にするだけでなく、事業者にマーケティングツールとしての効果ももたらしている。「ECzine Day 2019 Spring」に登壇したAmazon Pay事業本部長の井野川拓也氏は、豊富な事例を交えてその効果を紹介するとともに、Amazon Payが実店舗や音声などの新たなチャネルとつながることで拓けるコマースの可能性について語った。
Amazon Payがユーザーにもたらす3つのメリット
Amazon以外のECサイト上であっても利用者がAmazonのアカウントを使って商品を購入することのできるID決済サービス「Amazon Pay」。井野川氏は、その立ち上げから携わり、現在は日本におけるAmazon Pay事業の責任者を務めている。導入実績は、サービスの提供を開始した2015年5月からおよそ4年の間に数千社を超え、決済金額も順調に増えている。
ユーザーがAmazon Payを利用するメリットとして井野川氏が挙げたのは、サイトごとにアカウントを作成する必要のない「利便性」、ログイン後は住所などの情報が自動表示されるため素早く購入できる「スピード」、トラブル発生時もアマゾンマーケットプレイスの保証が適用される「安心感」の3つだ。
「安心感という面では、最近、クレジットカード番号の漏洩に関するニュースを目にすることも増えたように思います。Amazon Payに登録されているお客様のクレジットカード情報はAmazonが保存しており、その情報を事業者にわたすことはありません。我々のサービスを使っていただければ、自分のカード番号をさまざまなECサイトで入力する必要がなくなりますので、その漏洩リスクをおさえることが可能です」(井野川氏)
一方、Amazon Payを導入することによってもたらされるEC事業者側のメリットも3点ある。ひとつめは「新規顧客の獲得」だ。
Amazon Payのパートナー各社が導入企業を対象に調査を行ったところ、ゲスト購入のうち約半数はAmazon Payを使って決済が行われていた。さらに、そのあと購入したサイトやブランドの会員となった購入者の割合は、6割〜8割ほど。他の決済手段に比べて格段に高い。
なぜこれほど高い会員化率を叩き出すことができるのか。それは、ECサイトの注文確認画面に「お客様情報を会員として登録する」「メールマガジンを購読する」というチェックボックスが付いているため、注文確定と同時に会員登録やメルマガ登録が行えるためだ。フューチャーショップが開示したデータによれば、導入サイトの年間会員増加率は非導入サイトの3倍強にものぼる。
井野川氏はここで、いくつかの事業者の声を紹介。阪急百貨店では、会員登録のハードルを下げることを目的のひとつにAmazon Payを導入したところ、6ヵ月間で会員登録を行ったおよそ15%が、Amazon Payから登録をしていたことがわかった。この中で井野川氏が注目したのは、地理的なロケーションだ。
「阪急百貨店様では、店舗の集中する関西圏の会員が元々多かったところ、Amazon Payを導入したことで、ほかの地域の会員数も非常に増えたそうです。新規会員獲得のためにマーケティング費用をかけている事業者様も多いと思いますが、営業マーケティングツールとしてAmazon Payを使っていただくことで会員獲得コストを節約できれば、商品開発などの他業務にリソースを充てていただけるのではないでしょうか」(井野川氏)
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渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)
1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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