アパレルEC関連のさまざまなゲストをお招きし、ビジョナリーホールディングス(メガネスーパーの親会社)でEC・オムニチャネル推進を統括する川添隆さんと対談していただくこのコーナー。第19回は、創立76年目を迎える老舗アパレルメーカーでありながら早期よりデジタル化に取り組む三陽商会の安藤裕樹さんが登場です。
一度離れた会社に戻りEC改革を推進する立場へ

川添(ビジョナリーホールディングス) 三陽商会には新卒で入社されたんですか?
安藤(三陽商会) 1992年に新卒で入社して営業や企画の仕事をしていたのですが、2001年に一度退職しています。退職後はフリーランスや他のアパレル企業を経て2006年に大手通販会社へ転職し、そこで初めてECに携わりました。以来、10年以上にわたりEC事業に携わり、15年ぶりに三陽商会へ戻ってきたのが2016年のことです。
私が三陽商会に入社した当時はECなどという言葉もありませんし、PCをひとり1台持つようになるのはかなり後の話で、デジタルが仕事に絡むということ自体なかった時代でした。ほとんどの新卒社員が入社後に百貨店の営業を経験し、3~5年経ってから企画業務や店舗運営を担う部署に異動していました。2008年に三陽商会の自社ECサイト「SANYO iStore」が立ち上がりましたが、CRMをはじめとする顧客基盤が整備され、これから本格的に推進していくというタイミングで私が再び参画しました。
川添 アパレル業界の中でもオンワード樫山、ワールド、三陽商会は歴史の長い御三家的な存在です。なかでも三陽商会は、「ECで完売した商品を実店舗在庫から引き当てて買える」というような先進的な取り組みを早期から実現されていた印象があるのですが、安藤さんが再び戻ってこられた当時のブランドの状況やデジタルの推進度合いはいかがでしたか?
安藤 「意外と整備されているな」というのが正直な印象でした。在庫の引き当てや会員基盤の整備など、お客様からは見えない裏側の仕組みには手を着けられていたものの、マーケティング戦略までは詰められておらず、インフラ活用のフェーズには至っていませんでしたし、他社と比べて人が足りていない印象も受けました。
また、ブランドの再編も進めていたので、既に休止が決まっているブランドがある一方で、新たに立ち上がるブランドがあるような状況でもありました。
川添 会社としてもう一段階新たな改革をしなければいけないフェーズで安藤さんが戻られたんですね。私自身も企業の再生に携わってきたので、そのご苦労は理解できます。
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渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)
1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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