オムニチャネル・OMOの推進が各社で進む中、ECと店舗のありかたは大きく変化している。今求められているのは、実物に触れられる店舗の利点にテクノロジーを掛け合わせ、顧客体験(CX)の質を高めることと言えるだろう。ZETA株式会社 代表取締役社長の山崎徳之氏は、2023年3月16日開催の「ECzine Day 2023 Spring」にて「売り場改革リテールテック!ECとUGCがもたらす新時代店舗体験とは?」をテーマに登壇。新たなユーザーとのエンゲージメントを実現する具体的な施策や展開について解説した。
コマースで重要なUGCはレビュー 多軸化・属性の明確化がポイントに
急速に変化し続けるEC市場。最も大きな影響を与えたのは、やはりスマートフォンの登場といえるだろう。山崎氏は、「いつでもどこでも情報を受け取れ、高性能で表示性能の高いタッチポイントが増えたことで、パソコンやガラケー、フィーチャーフォンではできなかった魅力的なマーケティングが容易になった。すると、店舗のありかたにも影響が及ぶのは当然だと思います」と語る。
中でも大きく変化したのは、初めて購入する商品や失敗したくない高額商品の購買行動だ。かつては、マスメディアなどを通じて企業・ブランド発信で情報提供するのが主流であったが、2000年代中盤に「Web2.0」と呼ばれる時代が到来して以降は消費者側も情報を発信し、双方向での交流が当たり前となっている。こうしたスタイルの変化は、消費者が事前にインターネットで情報収集した上で店舗に来訪する動きに加え、消費者の生の声、つまり「UGC」を求める流れにもつながっている。
「UGCは、ブログからTwitterやFacebook、Instagram、YouTubeといったSNSへ拡がり、コマースの世界にも変化を与えています。コマースにおける最も重要なUGCはレビューです。良いレビューが増えれば、それだけコンバージョンが上がるという調査結果も国内外で多数示されています」(山崎氏)
レビューは需要にともない急速な進化を遂げており、消費者の疑問を様々な視点から解消する「Q&A」や、多様化する情報をキーワードで分類する「ハッシュタグ」なども注目を集めているという。
ここから山崎氏は、進化のポイントとして三つの項目を挙げた。一つ目は「多軸化」だ。従来型のレビューは単一評価が主軸であったため、商品そのもののスコアではなく、接客・配送など付随するサービスを含んだ総合評価がECサイト上に記載されていた。これでは、商品に対する正確な評価を得ることが難しくなってしまう。
「そこで増えてきたのが、複数の軸を使った評価です。旅行やホテルの予約サイトでは、早い段階から『快適度』『食事』『コストパフォーマンス』『ホスピタリティ』といった多軸評価が導入されていましたが、コマースの世界にもこの流れが訪れています」(山崎氏)
さらに山崎氏は、「『誰がレビューしているのか』といった属性についても、消費者の注目が集まっている」と続けた。たとえば、アパレルでは自分と同じ性別・年齢・体型の消費者(レビュアー)によるレビューが、コスメでは肌のタイプや悩みが類似するレビュアーの声が重視される傾向にある。参考になる情報をいかに収集するかも、UGCを充実させる上では欠かせない要素といえる。
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- ECzine Day 2023 Spring レポート連載記事一覧
-
- ライブコマースは顧客のエンゲージメントにも有効 企画のポイント4つを博報堂DYグループが解...
- 他店に顧客を取られない「魅力的な店舗作り」の秘訣とは Q&A・ハッシュタグ活用が広げるUG...
- インフルエンサーの起用にも「本人確認」を C Channelが取り入れたeKYCの技術とは
- この記事の著者
-
伊藤 真美(イトウマミ)
フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:ZETA株式会社
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
