営業活動へのテクノロジー活用の第一歩として選ばれることも多いSFA。ガートナーの調査によれば、世界レベルでもSFAの需要はかなり高まっているという。一方で、現場の営業には「やらされ感」がつきまという不満がたまっているという現状も。テクノロジー活用において、経営層と営業現場の板挟みになってしまうIT担当からの相談を受けることも多いガートナーのアナリスト川辺氏が、「やらされ感」を払拭するためのヒントを教えてくれた。
なぜ、営業担当者はSFA活用に積極的でないのか
デジタル・ビジネスによる破壊的な変革のまっただ中にいる現在、企業にとって、営業成果を高めるためには営業支援システム (以下、「SFAアプリケーション」) の活用が必要不可欠です。実際にSFAアプリケーションの売上は増加の一途を辿っており、ガートナーによる世界規模の調査では、2017年に15.7%成長し、62億ドルの規模に達しています。
SFAアプリケーション自体は普及して久しく、日本国内においても、法人顧客と取引を行う金融、製造、サービスなどの業界を中心に、いまや大規模な営業組織を持つほとんどの企業において何らかのかたちですでに導入されています。読者の方の企業においても、何かしらSFAアプリケーションを導入している企業が多いのではないでしょうか? しかし、残念ながら、同アプリケーションを活用した成果を実感している企業は依然として少ないのが現状です。
ガートナーが行っている顧客企業との対話や、主催イベントでの参加者との会話などを通じて聞かれる問い合わせで、SFAアプリケーションに関して最もよく聞く課題は、「営業担当者がSFAアプリケーションの利用に積極的でなく、営業施策で必要とされる現状把握のためのデータが集まらない」というものです。実に多くの企業が、「営業担当者がSFAアプリケーションの利用に積極的でない」点がSFAアプリケーションの活用をめぐる最大の課題であると考えているのです。それは何故なのでしょうか?

その理由として挙げられるのが、営業担当者がSFAアプリケーションに対して抱いている慢性的な「やらされ感」の存在です。つまり、営業担当者にとっては、SFAアプリケーションは営業担当者をサポートするためのもの、ではなく、業務ルールに従わざるを得ないために「仕方なく」利用させられている、という認識なのです。日本国内において、普及して久しいはずのSFAアプリケーションですが、営業担当者にとっては未だに「仕方なく利用させられている」ツールとなっているため、入力される情報が形式的なものとなりがちで、本当に必要な生きたデータが集まらない、ということになるのです。
SFAアプリケーションは本来、営業活動を体系的に整備し、計画的な営業活動を支援することで個々の営業担当者の業務効率を改善すると同時に、営業組織全体にわたる組織的な営業パフォーマンスの向上を目的として作られています。それなのに、先に述べた営業担当者の認識とのギャップはどうして起こるのでしょうか?
ひとつには、個々の営業担当者が享受できる便益よりも、組織的なパフォーマンスの向上に重点が置かれていることによって引き起こされているものと考えられます。
ガートナーが実施した調査結果では、実際に、営業担当者が入力すべき営業情報の項目は「(管理本部などの)上が決めている」と回答する企業が多く、さらには「何のために必要なのか曖昧なものを含め、営業担当者が入力すべき項目が多すぎるために、やらされ感が助長される」という声も聞かれます。
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ガートナー ジャパン株式会社 シニア ディレクター, アナリスト 川辺謙介(カワベケンスケ)
ガートナー ジャパンにおいて、CRMを中心とした調査・分析・予測と、それに基づいたユーザー企業への提言を行っている。ガートナー ジャパン入社以前は、無線電気通信事業者において CRM(顧客分析、顧客戦略およびプランニングを通じたダイレクト・マーケティング)業務、ITコンサルティング会社やSIベンダーにて販売分析シス...
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