顧客に会えないコロナ禍、IT業界を中心に多くの営業組織がオンライン商談を経験し、並行して継続的に顧客とつながるためのマーケティング施策やインサイドセールスの立ち上げを経験したのではないだろうか。一方で、有形商材を販売し対面の営業活動が中心となるイメージも強い不動産業界ではどのような変化が起こっているのだろうか。不動産売買を中心に展開するハウスプラザ・渡丸さんに、コロナ禍以前から進んでいた業務効率化、そしてインサイドセールス立ち上げの実践について、大事にしてきた思いとともにうかがった。
「現場に無理をさせないシステム」で度重なる入力業務を効率化
――渡丸さんはウェブ業界から不動産業界へとジョブチャレンジされたんですね。
大学時代からインターンでウェブサイト制作等をしていたのですが、卒業後はゲーム制作会社に就職しイラスト制作などデザインに関わる仕事を経験しました。2016年に不動産売買を主業務とする当社に転職し、「業務部」という書類をつくる部門に所属しました。前職よりも楽になる部分もあるかなと思って転職をしたところもあったのですが、まったくそんなことはなく(笑)。業務部ではお客様が購入する住宅の場所など、契約書をつくる際に同じ情報を何度も入力するんですね。「入力業務」をもっと効率的にできないかなという考え方にシフトしていきました。

――改善に取り組むにあたって、業界特有の課題などつまづく部分はありましたか。
不動産売買は案件1つひとつの責任が非常に重い業態です。法律の取り決めもありますし、無形商材ではなく有形の住宅を扱うため、売買に限らず不動産業界自体にまだまだ紙・ハンコ文化は根強いです。業務改善のために、手軽なSaaSを使うという手段もありますが、ITに不慣れな人も多い中で、使いこなせる人と使いこなせない人の線引きがそのまま「仕事ができる人」「できない人」の線引きとなってしまっては、皆が幸せになれません。勝手に効率化に取り組み始めたものの非常に悩みました。
入社して5年めの私より長く勤めている人が多いですから、これまでのコツコツと入力をこなすやり方が当たり前なんです。それによってミスが起こってしまうことを問題視する声はありましたが、「システムを導入して変えよう」という考え方はありませんでした。そこで、「現場に無理をさせないシステム導入」という軸を決めて課題解決を進めていきました。
――入力業務が多く、さらに1つひとつのお仕事の責任も重い。そんななかで、どのように効率化をスタートしたのでしょうか。
現場に無理をさせない、の最たるものだと思いますが、書類を自動で入力できるようにつくりかえました。インターフェースはExcelで、現場としてはこれまでと同じようにExcelを開き、そこでボタンを押すと自動で書類が出るようになっています。いま振り返ると裏側はかなり汚いコードですが……。もともとECサイトなどをさわった経験もあり、データベースの呼び出し方はわかっていたのですが、Excelの動かし方などは自分で勉強しました。

それまでは、データをつくっている人と使いたい人が別で、「○○さんローデータ下さい」「準備します」のやりとりが電話で行われていたのですが、ボタンひとつで出せるようになったことで、手間はかなり削減されたようです。

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宮田華江(編集部)(ミヤタハナエ)
立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZine編集長就任。ビジネスメディアの統合を担い、2026年...
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