2025年、「トップ」営業はいなくなる──?本連載では、商談の可視化と効率化を支援するセールス・イネーブルメントのツールを展開するブリングアウトの中野慧さんが、日本のSales Techを取り巻く最新事情をインタビュー。AIやテクノロジーの発達で営業スキルの標準化が進むと、「トップ」営業はいなくなるのか、それとも──。第1回では、日本の営業に「セールス・イネーブルメント」が必要な理由、商談解析ツールの開発に携わった開発者と研究者へのインタビューをお届けします。
営業の科学を推し進めるセールス・イネーブルメント
「営業成績を伸ばすためにもっとも重要なことはなんだろうか?」
突然そんな質問を投げかけられたら、あなたはなんと答えるでしょうか。筆者は、「商談の可視化、傾斜化」と答えます。理由は単純です。商談の可視化と傾斜化が進めば、改善策を提案できるからです。
ここでいう商談の可視化とは、「どんな内容の話をし、クライアントからどのようなリアクションをもらったか」を社内全員が共有できることを指します。
商談の傾斜化とは、「クライアントがどのような点に興味を持ち、どのような条件ならば契約を決めるのか」というクライアントの関心度、重要箇所、あるいは決裁者など重要情報の抽出のことを指します。
たとえるなら、営業はダイエットと同じだと筆者は考えます。ダイエットには成功理論があります。その日の食事と運動を可視化し、改善策を出し、実行すれば基本的に減量は成功すると言われます。
より具体的に言えば、その日に糖質、タンパク質をどれだけ摂ったかを明らかにし、今後より痩せるためにタンパク質をどれだけ食べて、糖質をどれだけ減らせば良いかわかれば、理論上はやせることができるよね、という話です。
そう、ダイエットが科学されているように、営業も科学的に結果を出せる。いま、世界はそんな潮流になっているのです。

この「営業の科学」を強力に推し進めるのがセールス・イネーブルメンと呼ばれる分野です。ここ数年でセールス・イネーブルメントの市場が急拡大しています。
海外を見ると、商談解析ベンチャーが続々登場しています。海外では、Gong社が1兆円近いバリュエーションで資金調達したことを発表しました。海外では日本よりも転職率が高いため、商談内容を社内で共有し、改善案を社内の資産として蓄積していく必要があります。属人性のある営業ではダメなのです。
日本では、販売従事者は雇用者数の10%を超えています(労働政策研究・研修機構の調べ)。つまり、日本の営業を変えることは、10人にひとりの生産性を上げることに貢献するのです。
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中野慧(ナカノケイ)
Bain & company での7年間のコンサルティング経験の後、リクルートにてスタディサプリ小中学生領域事業責任者および新規事業開発部長を歴任。その後HR Startup CEOを経て、Bring Out創業。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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