あなたは部下を褒めていますか? 売上だけを見て部下を褒めていたら注意が必要です。営業が売れるのは、正しい営業プロセスを理解しているからこそ。営業プロセスのうち部下は何ができていて、何ができないかまで目線を向けない限り、売れない営業を正しく指導することは難しいでしょう。サイレントセ―ルスの第一人者・渡瀬謙さんが「営業に対する思い込み」を取り除いていく本連載。第4回は、売れる営業が行っている営業プロセスを理論的に説明した「ステップ営業法」を活かし、“褒める指導”へシフトするコツをお伝えします。
営業プロセスを可視化して「真の目的」を理解
これからご紹介する「ステップ営業法」は、売れている営業が無意識あるいは意識的に行っている営業活動の流れを可視化したものです。 感覚的に行動するのが苦手な私が論理的な裏づけを基に考え出したものですから、私のような内向的な性格の部下を指導する際はまさにうってつけの営業法と言えるでしょう。

ステップ営業法には、真新しいものはひとつもありません。普段皆さんが使っている用語ばかりです。しかし、皆さんは「これらのプロセスの意味をきちんと理解している」と自信を持って言えるでしょうか?
「アイスブレイクが苦手で場が盛り上がりません」「ヒアリングシートどおりに聞いているのに、いつも抜け漏れがあるんです」「商品説明がぎこちないせいで、お客様が話を聞いてくれません」 「クロージングで最後のひと押しができず、契約を逃してしまいます」……。一見、自分の欠点をきちんと分析しているように見えますが、各プロセスの目的を間違って解釈している人は案外多いのです。その場合、どんなに行動しても結果にはつながらないでしょう。
この積み重ねで「やはり自分は営業には向いていないんだ」と営業を辞めてしまう人は多いですが、これは非常にもったいない。このような事態を避けるため、まずは営業活動の各プロセスにおける真の目的を理解しましょう。
| 新規開拓 | 商品に興味がありそうな相手を探す作業 |
| アイスブレイク | 警戒している相手のガードを下げる作業 |
| ヒアリング | 売るべき相手かどうかを確認する作業 |
| 商品説明 | 相手に合わせた説明をする作業 |
| クロージング | 迷っている要因を取り除く作業 |
| フォロー | 相手との関係を構築する作業 |
真の目的を理解すると、行動のとらえ方が変わってきます。たとえばアイスブレイクで言葉巧みに会話を盛り上げる真の目的は「相手の警戒心を取り除く」こと。場を盛り上げたり笑わせたりすることは、単なる“手段”に過ぎません。
ちなみに私のアイスブレイクは、できるだけ相手に話してもらいます。おもしろい話などは一切しませんが、相手の警戒心を下げることができています。どんな手段であれ、お客様の警戒心を下げられたら、アイスブレイクの目的は達成できたと言えるでしょう。
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有限会社ピクトワークス 代表取締役 渡瀬謙(ワタセ ケン)
1962年、神奈川県生まれ。小さい頃から極度の人見知りで、小中高校生時代もクラスでいちばん無口な性格。明治大学卒業後、精密機器メーカーに入社。その後リクルートに転職。社内でも異色な「無口な営業スタイル」で、入社10ヵ月めで営業達成率全国トップになる。94年、有限会社ピクトワークスを設立。広告などクリエイティブ全般に携わる。その後、事業を営業パーソン教育の分野にシフト。日本生命保険、三菱UFJ銀行、野村證券など各業界のトップ...
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