EC事業者がおさえておきたい、13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。フラクタの河野さんに、ECシステムについて聞きました。 ※本記事は、2021年9月24日刊行の『季刊ECzine vol.18』に掲載したものです。
チャネルがミックスする今こそ進むべき道の客観視が必要に
今号の特集タイトルと絡め、河野さんは「チャネルの垣根を越えた象徴的な体験を作る大切さについて紹介したい」と語る。
「長く続くコロナ禍で、オンラインの利便性を痛感しながらも体験を提供する上ではリアルの要素も必要であることを皆さんが痛感しているはず。街に人が戻ってきたと言っても平時と比べればまだまだの状況で、これまでのやりかただけで売上を取り戻すことは不可能です。変わるべきところは変わり、自分たちが顧客へ提供できる価値を改めて明確にすることが必要と言えるでしょう」
「時代の流れに適応し、訴求内容や提供する商品に変化が見られる業界のひとつにアパレルがある」と河野さんは続ける。プレイヤーも多いレッドオーシャンな業界。ファストファッションが流行し、デザインと価格をいかに両立させるかでしのぎを削っていた時代もあったが、最近はメッセージ訴求の方向性が変わっていると言う。
「たとえば古着をリメイクする、リサイクル素材を活用するといったように、既存のものから新たなものを作るケースが増えてきました。こうした動きはサステナブル文脈で語られることも多いですが、個人的には『リジェネレイテッド(再生)』という言葉がふさわしいと考えています。提供するサービスについても、今後のありかたを見直した結果、あえてリアル寄りの手法に回帰することもあるでしょう。時代が進み、アナログ・デジタルの良さがより客観的に見えたことで、手段を選ばず最善策をとることができるようになったと感じています」
次々と先進的なサービスや取り組みが発信される現代だが、必ずしも新しいものが古いものよりも勝っているとは限らない。また、新たな取り組みで注目を浴びることができるのもほんの一瞬だ。自社のビジネスの本質である「商売」にきちんとフォーカスを当て、それらが本当に稼げる仕組みであるのか、ビジネスを前に進めるにあたりプラスに作用するものなのかは考える必要がある。
「お金や時間をかけてECシステムを入れ替える。派手なこと、新しいことをする。それだけでなく、人のアイディアで工夫できる点はないのか。チャネルがミックスされ、フラットになりつつある今こそ落ち着いて判断を下さなくてはなりません」
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ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)
立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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