ショップチャンネル(ジュピターショップチャンネル株式会社)が、長年培ってきたテレビショッピングの枠を超え、ソーシャルコマース型の新たなEC事業「うちのね、」と「CanauBi(カナウビ)」を始動させました。メディア視聴環境が激変するなか、同社が描く「ソーシャルコマース」の勝機とはどこにあるのか。EC本部 ソーシャルコマース部 部長の池田大輔氏に、立ち上げの背景から独自の成長戦略まで詳しく伺いました。
テレビショッピング以外から新規顧客を獲得する
━━まずは、今回新たに2つのECサービスを立ち上げた背景について教えてください。
池田 背景には、2023年4月に発足した「3554プロジェクト」という経営戦略があります。昨今、メディア視聴環境の変化によって、一般的にテレビを見る方が減ってきています。ショップチャンネルにとっても「テレビ視聴に頼らない、新たなビジネスモデルの構築」は急務の経営課題となっていました。
そこで、従来の幅広い層に向けた総合通販から、対象領域を絞って特定の興味・関心を持つお客様を誘引するビジネスを模索してきました。そのなかでも特に新規顧客、とりわけ次代の中心顧客となる年代を獲得しやすい商材として、「ホームハード(キッチン用品、家庭雑貨など)」と「ビューティー」の2カテゴリーにフォーカスすることを決めました。
━━なぜ、あえて「ショップチャンネル」のブランドとは切り離して立ち上げたのでしょうか?
池田 2021年に開始した「コレイヨ」という別ブランドのサービスで、SNSを通じて特定の関心層にアプローチし、新規顧客を獲得できるという成功体験を得られたからです。
現在は、各サイトにつき約10名ずつ、計20名ほどの体制で運営しています。ショップチャンネル本体のブランド力に頼るのではなく、SNS上のユーザーの興味関心との親和性を最優先に考えたブランド形成を重視しています。
既存チャネルとの鮮明な「使い分け」――SNSを起点とした顧客獲得
━━テレビショッピングや既存の総合ECサイトとは、どのように役割を分担しているのでしょうか。
池田 最大の違いは、お客様の「流入経路」です。現行のショップチャンネルECサイトを訪れる方の多くは、ショップチャンネルのテレビ番組の視聴がきっかけとなっています。一方、「うちのね、」や「CanauBi」のお客様はテレビではなくスマホから情報を得る層が大半で、主にSNSを通じてサイトへ訪れます。
━━システムや物流面での連携状況はいかがですか。
池田 コレイヨでは事業開始の早期化を最優先にしていたため、ショップチャンネルの基幹システムや物流倉庫は連携せず独立した仕組みで運営していました。ただ、今回はコスト効率化の観点から、「うちのね、」「CanauBi」ではショップチャンネルの基幹システムや物流倉庫とシステム連携させています。
商品についても対象カテゴリを絞った上で在庫を共通化していますが、各サービス独自のMD(商品開発)機能も設けています。テレビショッピングでは良さを伝えきれない商品でも、SNSで映える、あるいは親和性が高いと判断したものは独自に買い付けて販売する、といった使い分けをしています。
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