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パートナーセールス実践事例

パートナービジネスに100%振り切るBox Japan。300社以上と事業を成長させた独自戦略に迫る

 2013年の設立時から「100%パートナーモデル」を貫き、右肩上がりの成長を続けるBox Japan。「直販営業を一切行わない」という意思決定の裏側には、市場環境や製品特性から導き出された必然性と、この戦略を実現する独自の仕組みがありました。同社のパートナービジネスを統括する安達氏に、Box Japanにおけるパートナービジネスの実践をうかがいました。

SaaS企業が「100%パートナーモデル」を決断した理由

──特にSaaS企業の場合、直販のみか、直販とパートナービジネスを並行することが多いように思います。「直販を一切行わない」というのは、大きな決断だったのではないでしょうか。

 たしかに、直販のほうが事業成長の初速が速いのは間違いありません。直販の営業組織は「このソリューションを売らなければ、自分たちが生き残れない」という強い危機感を持っていますから。

 Box Japan設立時にも、現会長の古市が様々なSaaS企業にヒアリングしたそうですが、やはりパートナーモデルで大成功しているSaaS企業はほとんどなかったそうですね。

──そうした中、なぜBox Japanは「100%パートナーモデル」に振り切ったのでしょうか。

 大きく2つの理由があります。1つはグローバルと日本の市場環境の違い、具体的にはITエンジニアの所属比率です。

 たとえば、米国のITエンジニアの所属先は事業会社が7割、SIerが3割と言われていますが、日本はその逆。多くのIT人材がSIerに勤めています。

 これはつまり、日本の事業会社の多くが自社でシステムの構築や運用を行わず、SIerへ委託しているということ。こうした市場環境では、事業会社に直接アプローチするよりも、各社のシステム開発を担うSIerに「Box」を主要なソリューションとして取り扱っていただくほうが、より早く広く「Box」の価値を届けられます。

株式会社Box Japan 専務執行役員 パートナー事業担当 マーケティング担当 安達 徹也氏

2015年、14人目の社員としてBoxに入社。サイボウズやMicrosoftに代表される、Box製品との連携でともにビジネスを伸ばしていくパートナー企業とのアライアンス推進をミッションとする。現在は販売代理店も含めたパートナービジネス全体とマーケティング組織の双方を統括。

 2つめが、「Box」の製品特性です。「Box」はSaaSでありながら、セキュリティやストレージといった「インフラ」に非常に近いソリューションという側面を持っています。そのため、各社のインフラ開発を担うSIerにとって、「Box」は自社の事業に組み込みやすい製品と言えます。

 こうした日本のIT市場の構造と「Box」の特性を踏まえ、グローバル展開するBox社の中でもBox Japanだけが「100%パートナーモデル」に踏み切ったそうです。

300社以上との連携を可能にした「2階層のアライアンス」

──Box Japanのパートナーネットワークは「2階層構造」をとられているそうですね。

 はい。Box Japanの創立時から、直接契約を結ぶ一次代理店が9社、一次代理店を介して間接的に取引を行う二次代理店が300社以上という「2階層のアライアンス」を展開しています。パートナーには、お客様への提案が得意な企業もあれば、全国の地方都市や中小企業の市場に強固なチャネルを有している企業も存在します。そのすべてと連携するため、この体制を選択しました。

 すべてのパートナーと直接契約を結んでしまうと、制度変更の際はすべての契約を締結し直さなければなりません。見積もりや申し込み、受注後の請求といったバックオフィス業務の運用ルールが企業ごとに異なるため、バックオフィスやアライアンス担当の負担が非常に大きくなります。そのため大胆な挑戦もできず、事業のスピード感が損なわれる可能性がありました。

 パートナーの社数を絞る企業も多いようですが、それではそもそもビジネスがスケールしなくなる。一次代理店を介して多くの販売代理店とつながる体制であれば、契約手続きは数社の一次代理店と完結できます。そして二次代理店に対しては、営業活動の支援にリソースを集中させることができるのです。限られたリソースで全パートナーとのアライアンスの効果を最大化するための戦略といえますね。

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丸投げはメーカーのエゴ。パートナーに依存しない営業体制

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この記事の著者

高橋 愛里(編集部)(タカハシ アイリ)

新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。SalesZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/07/08 08:30 https://markezine.jp/article/detail/76969

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