ECのKPIは「変化の速度」で見る
ECグロース支援を行うPALA株式会社の兒嶋仁視です。ECビジネスのスタンダードを整理し直し、WHY・WHAT・WHOの議論を深めていく連載の第9回をお届けします。
前回までは、新規獲得における「入口商品」の考え方を整理してきました。どの商品を入口にするかは、広告効率だけでなく、その後のリピート率やLTVにも大きく影響します。
ただし、入口商品や施策を正しく設計した後に重要となるのが、日々の運用プロセスです。
EC運用では、広告、CRM、商品、在庫、サイト改善など、数多くの施策が同時に動きます。成果を正しく判断するためにはKPIの追尾が不可欠ですが、現場でよく起きるのが「すべての数字を同じリズムで追ってしまう」という失敗です。
売上、CPA、CVR、F2転換率、LTV、定期継続率、在庫、アクセス数……。どれも重要な数値であることに違いはありません。しかし、「重要だから」といってすべてを毎日確認する必要はないのです。ECのKPI管理で最も大切なのは、数値の重要度だけでなく「変化の速度」によって見る頻度を分けることです。
「動きやすい数字」と「動きにくい数字」を切り分ける
ECで追うべき数字は、大きく二つの性質に分かれます。
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日々大きく動く数字(高頻度で変動)
売上、アクセス数、広告費、CPA、CVR、在庫数など。
広告配信の強弱、キャンペーン、メルマガ・SNS発信、外部要因によって日々大きく揺れ動きます。 -
日々では大きく動かない数字(中長期で変動)
LTV、F2転換率、定期継続率、顧客構造、P/L全体の収益性など。
一定の母数や期間が積み上がって初めて、傾向や成果として表れる数字です。
この二つを同じ時間軸で見始めてしまうと、判断を誤りやすくなります。
たとえば、LTVのような平均値を毎日追いかけて一喜一憂しても意味はありません。逆に、広告の配信ミスや在庫切れといった異常値を月次で振り返っていては対応が遅すぎます。
つまり、KPI管理において重要なのは「何を見るか」だけではありません。
「いつ見るか」「どの頻度で見るか」「その数字を見て何を判断するのか」までをセットで設計する必要があります。
具体的には、ECのKPI管理は「月次」「週次」「日次」の3つのレイヤーに分けて整理するのがベストです。
