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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Autumn(2026.09.08-09)

ECホットトピックス

資生堂とTSIに学ぶ、複合型自社ECの改善術。行動文脈を読み解くCX改善手法と実践の裏側

 ECサイトにおける顧客体験(CX)の重要性が高まる中、定量データだけでは見えない「顧客の心理や行動文脈」の理解が課題となっている。2026年7月7日開催の「CX Circle 2026 Tokyo」では、資生堂ジャパンとTSIの担当者が登壇した。独自の世界観を持つブランドを多く取り扱う両社が、顧客の行動データ分析を通じていかにしてUX改善やデータ駆動型の組織改革を実現したのか。その実践手法と裏側をレポートする。

デジタル上の“資生堂百貨店”へ。大規模刷新に伴う「見えない不安」

 資生堂ジャパンは、1874年の創業以来、時代の変化に合わせて顧客との接点を進化させてきた。2024年には、旧ECサイトである「ワタシプラス」を刷新し、資生堂公式の「資生堂オンラインストア」として生まれ変わらせた。単なる商品の販売チャネルではなく、プレステージブランドを多く扱う同社にとって、オンラインストアは「価値提案のプラットフォーム」だ。リアル店舗と遜色ないデジタル体験を提供し、来訪するすべての人に新しい価値を届ける「デジタル上の資生堂百貨店」を目指して設計された。

 このような「ブランドドリブン(資生堂側の意思や世界観)」と、顧客の行動や声を反映する「マーケットイン」のハイブリッド運営を進める中で、現場では新たな課題に直面していた。UI/UXの改善頻度が上がり、半期で約100件もの施策を実行する一方で、従来のアクセス解析ツールだけでは結果の因果関係が見えにくかった。同社の森田慶仁氏は当時の状況を次のように振り返る。

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資生堂ジャパン株式会社 EC事業部オウンドEC室 オウンドUXプランニンググループ GM(グループマネージャー) 森田 慶仁氏

 「大小様々ですが、2026年の案件は6月時点で100件ぐらいありました。私が2023年にUXの担当者として在籍していたときは年間で30~40件くらいでしたので、3年前と比べると2倍以上のペースで行っている状況です」(森田氏)

 変化のスピードに顧客理解の解像度が追いつかず、「本当にお客様に届いているのか」という不安を抱えていた。CVRなどの数値は動くが、「なぜ動いたか」がわからない。高速な仮説検証は行っていたものの、数値だけで見るとブランド体験を毀損するリスクにもなる。行動履歴の可視化が急務となった同社は、行動変容を詳細に捉える分析ツール「Contentsquare(コンテンツスクエア)」の導入を決断した。

行動データで「なぜ」を解き明かす。因果関係に迫るUX改善事例

 Contentsquareを導入したことにより、PVやコンバージョン率(CVR)といった結果だけでなく、「サイト内アクションの解像度を上げた分析」が可能となった。資生堂ジャパンはそれまで、Adobe Analyticsなどの従来の計測ツールで「何が起きたか」を把握し、自社で収集する約3,000件のユーザーボイスで「どう感じたか」を補完してきたが、その間の「なぜそのアクションに至ったのか」という行動文脈を紐解けるようになった。

 具体的な分析機能を用いた改善事例の1つが、カスタマージャーニーを可視化する機能を活用した動線の短縮だ。ユーザーがマイページの購入履歴から改めて購入したい場合、従来は一度商品ページを挟んでカートインする仕組みだったため、そこで離脱が発生していたことが判明。これを購入履歴から直接カートに入れられるように改修したところ、購入履歴からカートに進む割合が4.7%から16.6%へと大幅に跳ね上がった。さらに、購入履歴とカートを往復する新たなユーザー行動のパターンが発見され、複数購入機能を付与する次の改善へとつながっている。

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 また、商品ページのレイアウト変更においては、ゾーニング分析を活用して効果を定量的に把握した。同社が展開するトータルメイクアップブランド「MAQuillAGE(マキアージュ)」の商品ページにおいて、ユーザーの解像度が高まる画像を商品画像の後に配置したところ、ファーストビュー領域のクリック指標が59%向上し、優れた改善であることをデータで証明できた。

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意思決定の質が向上。「現場からの自発的改善」を生む組織作り

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/08/27 07:00 https://markezine.jp/article/detail/77305

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