ライター・石川香苗子さんによる新ブックレビュー連載がスタート!日々忙しく「積ん読」がたまってしまう営業パーソンのために、話題のビジネス書をわかりやすく解説いただきます。実は石川さんご自身も営業経験者。リクルートHRマーケティングで新規開拓営業を担当、06年第1四半期に全社MVP、同年「通期全社敢闘賞」として表彰されています。第1回は、その衝撃的なタイトルが話題となった『営業はいらない』。つい、手にとってしまった営業パーソンも多いのではないでしょうか。
誇らしげに「The・属人的営業」をしていたころ
私は新卒から3年間、新規開拓の「飛び込み営業」と「テレアポ」をしていました。特に入社して3ヵ月は、1日30件の「飛び込み営業」と60件の「テレアポ」がノルマとして課されていました。2005年、もう15年も前のことです……!
今回、三戸政和さんの『営業はいらない』(SB新書)を手にとった瞬間、そんな私はいきなり打ちのめされました。裏表紙にこんなことが書いてあったからです。
今や500万円の車でさえ、ワンクリックで買う時代であるにもかかわらず、いまだに多くの企業が、新規顧客獲得のファーストコンタクトを「飛び込み営業」と「テレアポ」に頼っている。しかしそのテレアポの成功率は1%以下だ。
まさに当時の私のことです。たぶん誰にも共感してもらえないのですが、営業時代の私はこの「飛び込み営業」と「テレアポ」が大好きでした。10件飛び込みしたら5件は名刺をいただけましたし、テレアポしたらアポが取れすぎて困ることもありました。自分にしかできないトークや、自分にしかできない飛び込みテクニックを開発して「どうだ、誰も真似できないだろう」なんて、悦に入っていたものです。もはやちょっと変態的です。
後輩やチームのメンバーに「飛び込み営業」のコツや、私のテレアポトークを教えるのですが、なかなか同じようにできる人はいませんでした。
これぞ「The・属人的営業」の極み……!
でも、「誰も真似できない」トークじゃ、ダメなんですよね。
SalesZineをお読みの皆さんは今まさに、セールステックや組織的営業を活用して「属人的な営業からの脱却」に日々奔走していると思います。そんなシステム的な営業とは、真逆のやり方をしていたのです。
営業という仕事の歴史と変化が1冊でわかる本
ということで、恐る恐る『営業はいらない』という本を読み始めたのですが、読み終えた感想は、むしろ「誰でも営業ができるようになるため」の本なんじゃないかということでした。

スタバのカップは自粛前に買ったリユーザブル
本書のいいところはこれまでセールスパーソンを苦しめてきた「属人的な営業」をはじめとする旧来型の営業スタイルについて、歴史とその弊害を丁寧にひも解き、これからなぜ営業が必要なくなるのか、どんなテクノロジーが登場しているのかについて解説しているところです。セールスパーソンが消えた例や代表的なSaaS企業まで1冊で網羅することができます。
この1冊を読めば、なぜ、営業という仕事が大きく変化しているのか、これから営業がどう変化していくのかについて丸ごとわかってしまいます。
新卒で営業の仕事をはじめたばかりの人や、インサイドセールスに配属されたけれど、仕事の意義がいまいち飲み込めていない人、旧来型の営業を続けてきて「なぜ今、世の中が組織的営業へとシフトしているのか」理解が追いつかない人などにおすすめです。
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- この記事の著者
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石川 香苗子(イシカワ カナコ)
ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。
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