経営者にとって非常に悩ましいことのひとつがマネージャーの選任だ。ギャラップ社の調査では、マネージャーとしての適性を備えた候補者を選び損ねている割合は、82%にも及ぶという結果すら出ている。営業組織においては、「プレーヤー時代の営業成績」か「在職期間の長さ」で営業マネージャーが選任されている場合が圧倒的に多い。営業マネージャーに必要な資質・能力に基づいて選任できているわけではないのだ。つまり、確率論で言えば、十中八九営業マネージャーの人選は間違われる危険性が高い。本稿では、最適解ではない人選であっても、しっかりと成果を出すために営業マネージャー自身ができること、経営者が指導すべきことを述べていきたい。
目標数字に弱いタイプは、営業マネージャーにふさわしくない
米国の調査においても、ソフトブレーンの調査においても「目標(数字)の認識不足」は業績の悪い営業組織の共通項となっている。
目標はいくらで、いつまでに、何が、あとどれくらい不足しているのかは、営業マネージャーであれば常に認識しておく必要がある。質問されて何かを確認しないと回答できないようでは、営業組織のマネージャーとしては極めて意識が低いと言える。というのも、プレーヤーにおいてもトッププレーヤーと言われる営業担当者は、常に目標(数字)を意識して活動しているからだ。
営業マネージャーの目標からの逆算思考をトレーニングするために、次のような計算問題を実施している。よろしければ、一度チャレンジしてみてほしい。
練習問題1
次の条件に基づき、同社の営業担当者ひとりあたりの「1週間に必要な見積もりの件数」「1日に必要な面談件数」を算出してください。
- 営業担当者人数:8名
- 月間目標受注額:5,000万円
- 平均受注単価:200万円
- 同社の営業プロセス:①初回アプローチ→②ヒアリング→③提案・見積もり→④受注
- ①初回アプローチから②ヒアリングに至る歩留まり率=「案件化率」:20%
- ②ヒアリングから③提案・見積もりに至る歩留まり率=「提案・見積もり率」:80%
- ③提案・見積りから④受注に至る歩留まり率=「成約率(受注率)」:30%
- 各プロセスにおける必要面談回数は1回とし、計3回の面談で受注できる
- 商談期間は1ヵ月以内とし、リードタイムは考慮しなくて良い
- 1ヵ月は4週間、営業稼働日数は20日間
小数点以下は切り上げにて整数で解答しなさい。
簡単に計算できただろうか?
実際に計算をすることなく自ら考えることを放棄して、解答や解説を読んでも、何ひとつ気づきは得られない。面倒かもしれないが、是非チャレンジしてみてほしい。この計算問題は8割以上の営業マネージャーが間違えてしまう。あなたがそれ以外の2割かどうかをぜひ、確認してほしい。
回答と解説は次のページに。
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ソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役社長 野部剛 (ノベタケシ)
一般財団法人 プロセスマネジメント財団 代表理事。早稲田大学卒業後、野村證券へ入社。本店勤務。一貫して、リテール営業。トップ営業マンとして活躍。2005年5月ソフトブレーン・サービス株式会社入社。執行役員を経て2010年7月に代表取締役社長に就任。著書に『営業は準備力: トップセールスマンが大切にしている営業の基本』『90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術』(ともに東洋経済新報社)、『成果にこだわる営業マネージャーは「目標...
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