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水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

第3回 ユーザーエージェント情報を使ってアクセス元を読み取る!(後編)


ロボットとユーザーエージェント

 Webサイトにアクセスしてくるクライアントは、ブラウザだけではありません。ブラウザ以外のクライアントは一般に「ロボット」と呼ばれます。ロボットは、人が操作してWebページへのアクセスを行うブラウザとは異なり、プログラム化されたルールに従って自動的にアクセスを行うツールの事です。もっとも有名なのは、検索エンジンのデータ収集用に利用するロボットですが、それ以外にも、Webページの更新チェッカツールやスパムメール配信用にWeb上に掲載されているメールアドレスを収集するロボットなど、さまざまな種類が存在します。

 ロボットは、機械的にアクセスしてくることを除けば、Webサイトへのアクセスの仕組み自体はブラウザからのアクセスとまったく同じです。しかしロボットの多くは自分自身が何者であるか、ということをユーザーエージェント情報として渡してくれるので、この情報から、「このアクセスはロボットからのアクセスだな」ということがわかるのです。主要な検索エンジンのロボットが送ってくるユーザーエージェント情報を以下に示します。

検索エンジンのロボットのユーザーエージェント

 Googleの利用するロボットは「Googlebot」、Yahoo!は「Yahoo! Slurp」というように、ロボットにはそれぞれ名前があり、その情報が含まれているのがわかります。また、こうしたロボットのユーザーエージェント情報には、そのロボットに関する説明が記載されたWebページのURLが書かれていることが多いのが特徴です。これは、ロボットがひとつのサイトに対して大量にアクセスを行うケースが多く、そのサイトの管理者がびっくりして「これは何者だ?」と思ったような場合に、きちんとそれに対して説明できるようにするためです。

 アクセス解析ツールによっては、ロボットからのアクセスを個別に集計して、どんなロボットがどれだけアクセスしてきたかを見ることができます。検索エンジンのロボットは、アクセスしてくれないと検索エンジンでの検索結果に自分のサイトが表示されないわけですから、きちんと訪問してくれているかどうかは重要な情報です。そしてそれを解析するためには、ユーザーエージェント情報が利用されているのです。

 ただしロボットは画像を読み込んだりJavaScriptを実行するものがほとんどなく、そのためにJavaScriptなどを利用するアクセス解析サービスではその訪問を検知できないことから、アクセス解析ツールによってはこれらのユーザーエージェントはほとんど見られない場合もあります。ロボットの解析については、次回以降に改めて触れたいと思います。

 なお、検索エンジンのロボットとは異なり、メールアドレスの収集用ロボットなど、Webサイトを公開するものにとって好ましくないロボットは、ユーザーエージェントを偽り、例えばInternet Epxlorerと同じユーザーエージェント情報を返すといったことをして、身元を隠そうとすることも多くなっています。ユーザーエージェントがいわば「なんでもあり」であるがために、こうした問題が発生してしまうのです。

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この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/09/19 10:54 https://markezine.jp/article/detail/113

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