6. セグメント&リマーケティングリスト
~Google アナリティクス内のデータフル活用でリストを作成する~
Google Display Network(GDN)をご利用の広告主であれば、リマーケティング配信を活用している場合が多いと思います。AdWordsで発行されるリマーケティングタグをサイトに設置することによって、サイト内行動データをもとにユーザーをセグメントし、配信リスト化(リマーケティングリスト)することができます。
作成されたリストはキャンペーン単位で配信に活用することができます。さらに、Google アナリティクスとの連携設定によって、Google アナリティクスで計測されたサイト訪問データを使ったセグメントリスト作成も可能になります。例えば、滞在時間やeコマース計測で得られた過去の購入金額などです。
一般的に「GAリマーケ」と言われているこのリマーケティング配信を行うために、GDNを活用している広告主の間でAdWordsとGoogle アナリティクスの連携設定が急速に進んでいます。本稿で紹介しているGoogle アナリティクスのDMP的活用においては、この「GAリマーケ」のさらに進んだ利用方法として、これまで紹介してきた「カスタムディメンション」や「データインポート」、「Measurement Protocol」によって取得したデータを活用することができます。

リマーケティング広告はサイト訪問者への広告配信から、サイトのアクセスデータに基づくリスト作成へと進化し、さらにサイト内変数に加え、顧客データやサイト外アクションデータまでもGoogle アナリティクスに取り込み、ターゲティングデータとする“DMP的活用”へと進化し続けています。
7. DBM連携(Google アナリティクス プレミアムのみ)
~リマーケティングリストのDSPへの提供~
前述した「GAリマーケ」のDMP的活用においては、リストの配信先はGDNに限られていました。Google アナリティクス プレミアムのご利用広告主であれば、このリストをGoogleのDSPであるDoubleClick Bid Manager(DBM)へも提供することが可能です。これにより、Google アナリティクスのDMP的活用によって作成されたリマーケティングリストを、DBMを通じてGDN以外のネットワークへ配信してくことも可能になります。
Google アナリティクスのDMP的活用の目的の1つはデータのリマーケティング活用です。取得データの多様化とともに、DMP的活用の価値を高める使い方がこの配信先の拡張に他なりません。
8. キャンペーン統合計測&レポーティング
~AdWords連携を使わずにキャンペーン統合計測を行う場合~
Google アナリティクスにはキャンペーン計測の方法として、AdWordsとの連携によって自動計測をする、いわゆる”自動タグ“計測と、Google アナリティクスが提供するキャンペーンパラメータをリンク先URLに使用する”手動タグ“計測の2つが用意されています。これによってGoogleの広告はもちろんのこと、Google以外の広告キャンペーン計測も行うことができます。
しかし、キャンペーン計測のレポーティングをGoogle アナリティクスで一元管理するために、この2つの方法にすべてを集約することがなかなか難しい状況も多くあります。Google アナリティクス導入以前から他のパラメータ仕様を使っていたり、第三者の広告効果測定ツールなどを利用している場合も少なくありません。かといって、1つのリンク先URLに、複数の計測パラメータを数珠つなぎのように並べるのも管理が非常に大変になります。
このような場合は、第三者の計測パラメータをGoogle アナリティクスのフィルタ機能を使ってアナリティクスのディメンションに振り替えるという方法が考えられます。
Google アナリティクスのキャンペーン関連ディメンションには「参照元」「メディア」「キャンペーン(名)」などがあり、すでにご利用のパラメータに同様の変数フィールドがあるのであれば、フィルタによってパラメータ変数を抽出し、そのディメンションへ出力するという設定によって、Google アナリティクスの既定のディメンション、レポート画面への集計表示が可能になります。
また、既定のディメンションが合わない場合でも、カスタムディメンションでパラメータ値の振り替え先となるディメンションを作成し、そこへフィルタによって振り替えていくという方法も検討できます。第三者のパラメータであっても、その値をGoogle アナリティクスのディメンションに振り替えることによって、セグメントやリマーケティングリストへの反映が格段にしやすくなるでしょう。